俳優徳重聡(40)がフジテレビ系「直撃! シンソウ坂上SP」(10日午後7時57分)で放送のドキュメントドラマ「元号を獲れ! ~『平成』スクープに賭けた記者たちの111日~」で、新元号をめぐるスクープ合戦を繰り広げた新聞記者役で主演する。TBS系「下町ロケット」の個性的なエンジニア役で話題になった徳重が、新たな顔を見せる。このほど飛躍した昨年を振り返り、新年への誓いを語った。

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ドキュメントドラマ「元号-」は、昭和から平成への改元直前、新元号のスクープを狙う新聞記者たちの実話をもとにした。徳重は政治部の官邸キャップ仮野を演じた。

撮影は昨年12月中旬から下旬にかけ、4日間で撮影された。「下町-」の撮影と並行し、未明に現場入りし、明け方撮り始めるということもあった。「終わってみるとよく覚えてない。本当に撮れるの? と思いました」と言うほどの過密スケジュールだった。

時間的な厳しさに加え、2つの役を同時期に演じる難しさもあったが、仮野と「下町-」の軽部、2人の強い個性の人物を演じる楽しさが上回った。徳重は「忙しくてもやる価値がありました。アクの強い人をやるのはおもしろい。それを突き詰めていく年にしてもいいのかなと思います」と、2つの役を演じたことが新年の目標を立てるきっかけにもなったとした。

「下町-」での怪演が「元号-」起用につながった。徳重は評判について「ネットもあまり見ないですしSNSもやらないのでピンときていなかった」と話すが、正月休みに高校時代のサッカー部の仲間と会った時、めったに褒めない友人が褒めてくれたことで実感した。石原プロモーションの大先輩、舘ひろし、渡哲也からも電話をもらい、渡には「見てるよ。徳重もいい役者になってきたな」と言ってもらったという。徳重は「少しはやれてるんだなと思えました。ふんどしを締めなければ」と話す。

今回の記者役は、今は亡きサッカー部の顧問で恩師を参考にした。厳しい言葉でハッパを掛け、見守る姿が重なった。ここ数年、恩師や世話になった人たちが亡くなったことが、自分を奮い立たせている。「下手なことはできない。墓参りで報告するためにちゃんとしないと」と、さらなる飛躍を誓った。【小林千穂】