未来のタカラジェンヌを育成する宝塚音楽学校の卒業公演となる「第105期生文化祭」が22日に、兵庫・宝塚バウホールで開幕(24日まで)する。これに先立ち、21日夕、同劇場で、公開稽古が行われた。

文化祭は「日本舞踊と声楽」「演劇」「ダンスコンサート」の3部構成。スポーツキャスター松岡修造(51)の長女、松岡恵さんは演劇部門(Aパターン)の主演を務めた。

恵さんら105期生は、17年春に入学。予科、本科と2年にわたり、歌、ダンス、演技の実技を中心に、宝塚歌劇団生徒としての資質を磨いてきた。文化祭はその集大成の場になる。恵さんはパンフレットの「好きな言葉」に「心に炎」と書き込み、父譲りの“熱さ”をのぞかせた。

1部は「清く正しく美しく」の日本舞踊で幕開け。クラシック・ボーカル部門で上川莉央さん、ハーバート真唯さんがそれぞれソロで美声を響かせた後、ポピュラー・ボーカル部門へ移り、宝塚歌劇ナンバーを次々に歌い継いだ。

「エクスカリバー」の「未来へ」では、恵さんがソロで熱唱。歌の途中に同期39人が背後に並び、その中で、伸びやかな歌声を響かせた。

2部「演劇」部門はA、Bの2パターンが用意され、恵さんはこの日、公開されたAパターンで主演。仲間を思い、立ち上がる元貴族の役柄を情感たっぷりに演じた。

恵さんは、阪急東宝グループを創業し、宝塚歌劇団を創設した小林一三氏の玄孫でもあり、ノーブルな顔立ちも特長。貴族の扮装(ふんそう)場面では、華やかな立ち姿で魅了し、セリフは男役らしい深みのある声で続けた。

この日の公開稽古では、クラシック・ボーカルで美声を披露したハーバート真唯さんが「同期生一同、立派な舞台人となりますよう、精進して参ります」と、あいさつした。

105期生40人は、文化祭を終えると、3月1日に卒業式を迎え、同日午後に宝塚歌劇団で入団式に臨む。タカラジェンヌの卵となり、4月19日に宝塚大劇場で開幕する宙組公演「オーシャンズ11」で初舞台を踏む。