老衰のため、22日に93歳で亡くなった上方落語界の最長老、笑福亭松之助さんと親交が深い落語家、桂ざこば(71)は23日、所属事務所を通じてコメントした。

ざこばは、松之助さんの長男、明石家のんき(51)が誕生した際、子守を受け持っており「私は、のんきさんが生まれた時に、松之助師匠は忙しかったので、よく子守に行かせて頂きました」と振り返り、松之助さんへの思いも吐露。

中学卒業後の63年に、故桂米朝さんに師事したざこばは、入門から数年後に、松之助さん宅へ「居候させていただいた」そうで、その際に「首提灯」「堀川」「へっつい幽霊」「尻餅」などを教えてもらった。

「お稽古はとても厳しく、すごく怖かったですね」と言いつつも、おおらかで優しい人間味にも感謝。「たしか誕生日だったと思いますが、タイをまるごと1匹持って行ったら『こんなモン持って来たんかいな』と言いながら、上手にさばいて料理してくれはりました」。包丁も自ら研いでいたそうだ。

さらに、ざこばが脳梗塞を患った際には「とても心配してくださったと聞いています」とし、松之助さんが入院後、ざこばが見舞いに行くと「私がベットの横で上燗屋をやった時には涙を流して、ニコッと笑ってくれました。また寂しくなります」とコメントし、敬愛する師匠をしのんだ。