アニメ「巨人の星」の星飛雄馬の姉明子や、深夜放送の草分けTBSラジオ「パック・イン・ミュージック」のパーソナリティーなどで知られる声優白石冬美(しらいし・ふゆみ)さんが虚血性心不全で亡くなったことが29日、分かった。82歳だった。

白石さんは東京・世田谷区内で1人暮らしをしていたが、連絡が取れないことを不審に思った親族が28日に訪ねたところ、意識不明の状態で倒れていたという。その後、死亡が確認された。葬儀・告別式は、親族のみでとり行われるという。

「声優」というジャンルがない60年代からCMやアニメで声の活動を始めた。1967年(昭42)年、「パック-」の放送がスタート。10年に亡くなったナッチャンこと野沢那智さん(享年72)とのコンビで金曜パーソナリティーに抜てきされ、チャコの愛称で呼ばれ人気になった。「チッチャイ子」だから「チャコ」と呼ばれるようになったという。

◆白石冬美(しらいし・ふゆみ) 1936年(昭11)10月14日、中国・北京生まれ。中国から家族と引き揚げ、静岡県で育つ。高校時代、中村錦之介さんの時代劇に憧れ、SKD(松竹歌劇団)入り。その後、東宝の芸能学校に転じる。日劇ダンシングチームにも入ったが、個性的な声だったため、CMの仕事をきっかけに声優の道へ。