女性アイドルグループにとって、世代交代は大きな鬼門の1つと言えるだろう。どんな人気グループでも、中心メンバーが年齢を重ね、いずれは卒業の時期がやってくる。若い次世代メンバーに構成が移り変わっていくが、“黄金期”を支えた先輩たちのほうが人気・知名度ともに勝る場合も多いのが実情だ。

この夏で結成8周年を迎える乃木坂46にも、変化の時期が訪れている。昨年から今年にかけて、生駒里奈(23)若月佑美(24)西野七瀬(25)衛藤美彩(26)といった結成時からグループを支えた人気メンバーが相次いで卒業した。34人(当時活動休止していた秋元真夏を含む)で始動した1期生も、半分以下の16人まで減った。

現状、グループの勢いは衰えていない。最新シングル「Sing Out!」は7作連続となるミリオンセールスがほぼ確実。メンバーが出演するCMも増加の一途で、中心メンバーの白石麻衣(26)や生田絵梨花(22)はさらに活躍の場を広げている。

また、加入当時13歳で、1期生ながらまだ20歳の齋藤飛鳥がエースに成長。16年に加入した3期生からも、与田祐希(19)はじめトップクラスの人気を誇るメンバーが出てきた。こうした意味では、世代交代にも成功しつつある、と言ってもいいのかもしれない。

今後の鍵を握るのが、4期生11人だ。昨年夏に行われた「坂道合同オーディション」を経て、乃木坂46に加入した。今年5月25日には、横浜アリーナで初の単独ライブを行い、1万5000人を熱狂させた。注目のルーキーたちの初ライブとだけあって、会場の熱気はすさまじかった。「これまでの乃木坂46のライブの中で、3本の指に入るくらいの盛り上がりだった」と話す関係者もいた。

4期生でセンターを務める遠藤さくら(17)は、ういういしい透明感としなやかなパフォーマンスで、ライブに訪れた媒体関係者たちをうならせていた。安定感のあるトークで関係者も「優秀」と太鼓判を押す賀喜遥香(17)や、柔らかい雰囲気に包まれた大人の魅力で早くも人気上昇中の田村真佑(20)、グループ最年少ながら落ち着いた振る舞いを見せた筒井あやめ(14)ら、グループの未来を担っていきそうなメンバーがズラリとそろっている。

これまでの芸能界で、真の意味で世代交代に成功した女性アイドルグループは少ないと言えるだろう。アイドル界のトップを走る乃木坂46だからこそ貴重な成功例を見せられるのか、注目される。【横山慧】