前田敦子(27)が3日、主演映画「旅の終わり世界の始まり」(黒沢清監督、6月14日公開)の完成披露試写会に出席した。

先月6日の夜、自宅で家事中に膝の靱帯(じんたい)を損傷して翌7日の映画イベントを欠席した前田だが、この日はロングのワンピースながら、元気に歩いて登場。服の編み目からは、サポーターや目立った傷などは見られなかった。MCから大丈夫か聞かれ「いい感じなんですけど、ご迷惑をおかけしました」と笑顔で回復をアピールした。

同作は昨年4月末から約1カ月間、全編ウズベキスタンでロケが行われた。前田は約1年を経ての公開を迎え「ちょうど1年前に東京に帰ってきたかなくらいだと思うんですけど、まだ初日はもう少し先ですけど、あっという間に公開されて、皆様の手元に旅立っていくんだなって、今回は特にそれを感じますね。この1年間でいろんなことが私自身もありまして。なのですごく思い出深い作品となってます」と感無量の様子だった。前田は昨年7月に勝地涼(32)と結婚。今年3月に第1子長男の出産を報告している。

前田は現地男性から求婚されたという。「みんなで明日からよろしくお願いしますっていう、ご飯会をさせてもらって、トイレに行こうと思って、ひとりで出たら、おじさまに何か言われてるけど、私、何も分からないから、助けてください、って言って来てもらって。したら『結婚したいって言っているよ』って」と苦笑い。「ちょっと酔っぱらってたんでしょうね。向こうで日本人の女性のスタッフさんたちも求婚されてましたよ。向こうの男性はまっすぐ、かわいいイコール結婚してくれ、って言ってくれるみたい」と回想。黒沢監督は「現場見ました。なんか、おじさんでしたね、それなりに衝撃だったんですけど。今考えるとすごいことですね」。加瀬亮(44)が「僕は無責任なんで。ああ、いいんじゃないの、と」。柄本時生(29)は「僕はあれ、何か絡まれてるな~、と思いながら、席を立つことなくしゃべってました」と話すと、前田は「まあ誰も助けてくれなかったですけどね、キビシイ世界だな、と思って、明日から頑張ろうと思いましたけどね」と笑った。

前田が演じるのは、舞台で歌う夢を持ちつつも、ウズベキスタンで幻の怪魚を探すバラエティー番組リポーター葉子。映画内では、同国のナボイ劇場でオーケストラを従えた場面と、標高2443メートルの山頂でのアカペラの2場面で「愛の讃歌」を披露している。同シーンについて「うわ~って思ったのが、(オフの)加瀬さんが撮影を見に来てくれたんですけど、それがプレッシャーでしかなくて。『なんでこの人来るんだ』って言えないじゃないですか。無視してたんですけど。嫌なお客さんがいました」と苦笑いした。

今作は日本とウズベキスタンの初合作で、前田はウズベキスタン観光大使にも就任している。前田は「私、ウズベキスタンって名前も知らなかったんですけど、行ってみたらすべてが楽しくて。いい思い出しかありません」と笑顔で映画をアピールした。

また「愛の讃歌」つながりで、今秋にフランスでの公開も発表された。