広瀬すず(20)が、野田秀樹(63)作・演出で、世界的ロックバンドQUEEN(クイーン)公認のNODA・MAP公演「Q-A Night At The Kabuki」(10月から東京芸術劇場など)で初舞台を踏むことが12日、分かった。

「ボヘミアン・ラプソディ」を含むアルバム「オペラ座の夜」の世界観を野田流に舞台化する作品で、松たか子(41)上川隆也(54)志尊淳(24)が共演。NHK連続テレビ小説「なつぞら」後の初仕事で大舞台に挑む。

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昨秋公開の伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」が世界的に大ヒットしたクイーンだが、「Q」の企画は公開前の昨年初めから進行していた。野田によると、クイーンの周辺から、「ボヘミアン・ラプソディ」を含むアルバム「オペラ座の夜」(75年)の演劇性ある世界観を「演劇」として広げられないか、クイーンの好きな日本の劇作家・演出家ヒデキにお願いできないかとの依頼がきたという。

野田は「『棚からぼたもち』だね」と興奮。「オペラ座の夜」から着想を得た創作ワークショップを重ね、インスピレーションを文字に起こしクイーンの周辺に送ったところ、クイーンから「OK、やってくれ」と返事が来て、アルバム全12曲の使用も快諾した。

野田は台本を書き始めたが「『ボヘミアン・ラプソディ』のような、クイーンの実話ではない。どちらかと言えば、『ロミオとジュリエット』の後日談」と明かす。シェークスピアの名作をベースに、ロミジュリは死んでいなかったという発想から、「若き日」と「その後」の2人のロミオ、2人のジュリエットが登場。若き日は広瀬すずと志尊淳、その後は上川隆也と松たか子に決まった。

クイーンのブライアン・メイ(71)も「伝説的劇作家野田秀樹さんが『オペラ座の夜』の演劇性を舞台にしてくださること、大変うれしく、光栄に感じます。日本との長いつながりの中で、令和元年という新しい時代の幕開けに、演劇史に新たな1ページを刻む作品で日本の文化に関われて喜ばしい」とコメントを寄せた。今夏から米国公演が始まり、来年1月に日本公演が行われるが、親日家だけに極秘観劇もありそうだ。【林尚之】

◆クイーン 英国出身のロックバンド。フレディ・マーキュリー(91年死去=ボーカル)ブライアン・メイ(ギター)ジョン・ディーコン(ベース)ロジャー・テイラー(ドラム)の4人で71年結成、73年デビュー。アルバム、シングルは世界で計3億枚以上を売り上げ、01年ロックの殿堂入り。伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」(昨年11月日本公開)は世界で興収1000億円を突破。