俳優高島忠夫(たかしま・ただお)さん(本名・高嶋忠夫)が26日、午後1時1分、老衰のため自宅で亡くなっていたことが分かった。88歳。28日、所属事務所が発表した。

妻は宝塚歌劇団の元男役トップスター寿美花代(87)。寿美の「最期は家族で見送りたい」という希望により27日、家族のみで密葬をとり行ったという。お別れの会などの予定はない。

「イエーイ!」のフレーズやテレビ番組の司会、映画「キングコング対ゴジラ」などで知られた。寿美とのおしどり夫婦ぶりも有名で、高嶋政宏、高嶋政伸の子供たちも俳優として活躍。芸能一家の父親でもあった。

兵庫県生まれで、1951年に新東宝のニューフェース「新東宝スターレット」の1期生として芸能界入り。翌年「恋の応援団長」でデビュー、得意の歌を生かして、歌って踊れる、芝居ができる二枚目スターとして活躍した。東宝に移籍後は、ミュージカルでも活躍した。

98年ごろうつ病を患い、近年は表に出る機会はほとんどなく、政伸の再婚や、初孫誕生の時も、文書でコメントを出していた。

高嶋政宏(53)は「ここ数ケ月、寝たきりの状態が多くなり、呼吸も弱まり、母曰く最後は眠るように旅立っていった、のがせめてもの救いです」(原文のまま)などとコメント。政伸(52)は「父は、最後まで明るく良く通る声で笑ったり、話したりしながら、大好きだったフリオの歌声に包まれて、本当に穏やかに旅立ちました」(同)などとコメントした。

◆高島忠夫(たかしま・ただお) 1930年(昭5)7月27日、神戸市生まれ。旧制中学時代から音楽や映画に熱中し、ジャズミュージシャンとして活動。関西学院大2年の51年、新東宝に採用される。52年、井上梅次監督「恋の応援団長」で本格デビュー。63年に宝塚のトップスターだった寿美花代と結婚した。血液型O。