お笑いタレントの闇営業問題が話題が続きますが、金銭を受け取っていないといううそをついていなければ、ここまで問題が大きくなっていなかったでしょう。やはり、うそはよくないです。これは闇営業とは無関係ですが、私は最近、うその事例を別の取材現場で目の当たりにしました。

ある映画の舞台あいさつの現場でしたが、開始20分前になって、その作品の関係者から突然、「舞台あいさつが中止になった」と言われたのです。現場では「登壇者の体調不良が理由」と説明されました。登壇予定者は出演者ら3人。誰がどういう容体か詳細を後でメールすると言われ、多くのメディアが帰されました。

納得できず、数社が現場に残り、誰が体調不良かをたずねると、結局、関係者は「最初の説明はうそだった」と明かしました。その後、謝罪しながら「舞台あいさつの進行上のミス」という趣旨の説明をしました。それ以上の詳しい話はなかったので推測になりますが、司会者に伝えた日を間違えたとか、司会者の手配に手違いがあった可能性が疑われました。しかし、仮に「出演者が体調不良で舞台あいさつ中止」とネットで速報されていたら、登壇者の今後の他の仕事にも影響し、大騒ぎになるところでした。とんでもないことです。

関係者は、「メディアのみなさまが帰った後に舞台あいさつを行った」と話していましたが、現場でうその説明をされたのは初めてです。ミスを隠そうと、とっさについたうそでしょうが、あきれて怒る気にもなれません。まあ、うそをついた当人は、申し訳なさそうに謝っていましたので、「うそをついて、何もいいことはない」と身に染みて反省していたと思いたいです。【中野由喜】