東京・池袋東口に日本最大の映画スクリーンが登場する。19日オープンの新しい商業施設「キュープラザ池袋」とシネマコンプレックス「グランドシネマサンシャイン」が17日、内覧会を開催し、初披露された。

このシネコンは12スクリーン、計2443席で、首都圏屈指の規模。東日本で唯一の「IMAXレーザー/GTテクノロジー」方式を採用したシアター12は、高さ18・910メートル×幅25・849メートル。6階建てマンションに相当し、常設の商業映画館としては国内最大という。同方式の巨大スクリーンといえば、大阪・吹田の109シネマズ大阪エキスポシティが代表格だったが、首都圏の映画ファンにとって朗報となった。

この日は、日本で初めて制作された全編フルサイズのIMAX映像作品「TRANSPHERE(トランスファー)」を上映。普通のスクリーンでは体験できない、精緻でリアルな迫力満点の映像をみせた。同劇場はほかにシアター4に、日本で初めて体感型アトラクションシアター「4DX」と3面マルチプロジェクション上映システム「ScreenX」を融合したスクリーンを導入するなど、ぜいを尽くしている。年間目標は、売り上げ30億円程度、来場数200万人程度という。

13年から計画し、東日本屈指の巨大シネコンを実現した佐々木興業の佐々木伸一社長(53)は「今の時点で顧客目線で最高のシネコンをつくりました」「池袋は新宿と比べてパワーは負けてないのに、映画動員で水をあけられていました。それはきちんとインフラを整えられてなかった、我々地元業者の責任でもあります。きちんとしたものをつくれば、池袋の街のパワーはまだこんなものじゃないと強く思っています。地元のためにもというと口はばったいですが、そういう思いもあります」などと語っている。

池袋を含む豊島区は14年に「消滅可能性都市」と指摘された。近年はアニメなどのサブカルチャーでも知られてきたが、こうしたショッキングなニュースに危機感を募らせた豊島区は「国際アート・カルチャー都市構想」をぶち上げ、官民挙げて発展都市を目指している。20年夏にはグランドシネマサンシャインの至近距離に業界最大手TOHOシネマズも大型シネコンを開業予定。映画の力も、池袋の活性化をけん引しようとしている。