デビュー50周年を迎えた歌手・南こうせつ(70)が古希を記念して、伝説の野外イベント「サマーピクニック~さよなら、またね~」を28日、福岡・海の中道海浜公園野外劇場で行った。

途中、雨に見舞われながらも6時間にわたってのステージを繰り広げ、「サマーピクニック」のテーマ「あの日の空よ」や「夏の少女」「満天の星」などを歌った。

加山雄三を始め森山良子、海援隊、BEGIN、ももいろクローバーZらが応援に駆けつける中、長渕剛(62)も駆けつけて盛り上げた。長渕が、他のアーティストのイベントに出演するのは異例のこと。今回は、南の古希を祝ってのスペシャル・イベントだけに「真っ先にいくことを決めた」という。南と一緒に「とんぼ」を歌い、自身の「乾杯」「夏祭り」を熱唱した。

南は、長渕をデビュー前から応援してきた。デビュー直後は自身のコンサートの前座としても登場させ、弟分の長渕をバックアップした。さらに、南がパーソナリティーを務めたラジオ、ニッポン放送「オールナイトニッポン」では長渕のコーナーを設けて、弾き語りを披露させてブレークのきっかけを作った。

長渕は「こうせつ先輩のコンサートを無視はできない。こうせつ先輩のツアーでは約60カ所回り、その1つ1つで30分のステージをやらせてもらった。そう言った意味では、こうせつ先輩のファンに育ててもらったという感じはあります。だから、今回は来ないわけないじゃないですか」。南は「まさか本当に来てくれるとは思わなかった。しかも、僕の前座をやったなんて自分から言うとは…。長渕も大人になったんだなって」としみじみ振り返った。

「サマーピクニック」は、南が1981年から90年まで九州の福岡、熊本を中心に10年間連続で開催してきた野外コンサート。その後、99年と09年、そして14年に復活させてきたが、今回はファンの声援に押され「年齢的にも、これが本当の最後」という気持ちで挑んだ。長渕は南の呼びかけで、83年と85年に出演してきただけに、34年ぶりの共演となった。

同コンサートの模様は、10月5日の13時から5時間にわたってNHK-BS4Kで放送される。その後、NHK-BSプレミアムでも放送が予定されている。