ダチョウ倶楽部が、愛知・御園座で「細川たかし特別公演&ダチョウ倶楽部一座旗揚げ公演」(11月9~24日)を行う。結成35年目にして一座の旗揚げまでこぎ着けた。演目は「西遊記」で、肥後克広(57)が沙悟浄、寺門ジモン(56)が孫悟空、上島竜兵(58)が猪八戒を演じる。志村けん(69)の舞台演劇「志村魂」で刺激を受けたという3人の意気込みをこのほど、日刊スポーツの取材に語った。

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「どうぞどうぞ」「ヤー!!」など、数多くの定番ギャグで芸能界の荒波を渡ってきたダチョウ倶楽部。「聞いてないよォ」は93年流行語大賞で大衆語部門銀賞受賞と、誰もが知るギャグはもはや“伝統芸”だ。

その集大成ともいえるのが一座旗揚げだ。肥後は「年齢的にもいい年になったので、ここであらためてダチョウ倶楽部で一座を組んで、旗揚げをすることになりました」と説明する。

演目に「西遊記」を選んだが、なぜ今「西遊記」なのだろうか。上島が「3人だからねぇ」と話すと、すかさず寺門が「我々世代は堺正章さんがやっていてなじみも深いですから。みんなも知っているだろということで…」。肥後は「ダチョウ一座の入り口として『西遊記』が分かりやすいだろうということ。今後は新しい演目にもどんどん挑戦していきます」とリーダーらしくまとめた。

配役はイメージで決めたという。孫悟空が主役だが、寺門は「台本を見たら今回は豚の話ですから!」とほえた。上島は「いやいや」と否定し、肥後は「猿が主役です!」と押しつけあった。最後は上島の「3人が主役です」で、話は落ち着いた。

「志村魂」では敬愛する志村けんから大きな刺激を受けた。上島は「志村さんは自分で笑いを作り上げてきた人。コントではかなわないけど、ダチョウにはリアクション芸がありますから」と強調する。

3人にとっても新たな1歩となる。肥後は「幕が開いてみないと何とも言えませんが、これを何回、何年と永遠に続けられればなというか、続けたい」。寺門は「あらためてダチョウ倶楽部が手を組んでみなさんにお見せできるものを作れるのがうれしい。今からワクワクしています」。上島は「身体が持つ限り、何年も続けていきたい。『志村魂』を14回やっているので、最低14回はやりたいですね」と目を輝かせた。

もともとは演劇集団だったダチョウ倶楽部。ダチョウワールドを“伝統芸”に昇華する挑戦が始まる。【川田和博】

○…三蔵法師役として応援出演する細川たかし(69)は「本当に楽しみにしております。ダチョウ倶楽部さんの3人と西遊記の3人。『なぜ今までやってなかったのか?』と思うくらいのハマり役で、ぜひ皆様に楽しんでいただきたいと思っております」とコメントした。

◆ダチョウ倶楽部 1985年(昭60)に肥後克広、寺門ジモン、上島竜兵、南部寅太(電撃ネットワーク南部虎弾)の4人で結成。87年にリーダーだった南部が脱退し、以降肥後がリーダー。91年日本テレビ系「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ」で上島が優勝。92年から日本テレビ系「スーパージョッキー」にレギュラー出演し、熱湯風呂でリアクション芸を確立。94年には日本テレビ系「24時間テレビ」でチャリティーマラソンランナーに選ばれ100キロを3人の交代制で完走した。