テレビ朝日が16日夜、緊急に記者会見を開き、同局の夕方の報道番組「スーパーJチャンネル」(月~金曜、午後4時50分)で不適切な演出が行われていたと発表した。

同局常務取締役の篠塚浩氏と広報局長の長田明氏が出席し、午後8時から記者会見が始まった。

不適切な演出の概要は以下の通り。

「スーパーJチャンネル」で今年3月15日に放送された「業務用スーパーの意外な利用法」で業務用の食品などを扱うスーパーマーケットに密着。業務用でありながら業者ではなく個人で買い物に来た客の人間模様を描くコーナーで、放送に登場した客のうち、主要な部分を構成している4人が担当の契約ディレクターの知人だった。担当ディレクターは俳優養成教室の講師もしていて、4人のうち3人は教室の生徒。他の1人は別の専門学校で面識のある人物だったが、放送では4人全員に対して初対面を装っていた。また、この4人を含む多くの知人に事前に取材日程などを教えるなどしていたという。

登場人物は店内では個人の必要に応じて自分用の買い物をし、披露していた本人自身の家庭のエピソードなどについてはおおむね実情にあった内容だとディレクターは説明しているという。

この企画コーナーは関連会社であるテレビ朝日映像への業務請け負い枠で、担当ディレクターは別の派遣会社からテレビ朝日映像へ派遣されていた。担当ディレクターは1人でロケ取材を実施、放送前に3回のプレビューを行ったが不適切な取材に気付くものはいなかった。また、取材上の問題がないことを自己申告させるチェックシートも提出されていたという。