タレント三船美佳(37)が29日、大阪・ABCホールで、15年ぶり舞台出演となる「はい!丸尾不動産です。~本日、家に化けて出ます~」(30日開幕)の公開稽古に参加し、10代で亡くした父の三船敏郎さん、大阪でともに暮らす母への思いを吐露した。

今作は、兵動大樹(49)桂吉弥(48)ダブル主演舞台の第2弾で、「独居老人の孤独死」という重いテーマをコミカルに描く。三船は吉弥の妻を演じ、義母が亡くなるストーリー。稽古を終え「うちの母をオーバーラップしながら演じています」と明かした。

その心を問うと、三船は「(義母の設定が)うちの母とちょっと似ていて、明るく楽しく人生を謳歌(おうか)している」と説明。さらに、早くに亡くした父の三船さんを思い「私、(父親孝行は)あれもできず、これもできなかった…って、悔しかったんです。後悔ばかりがあった」と吐露した。

舞台で亡くなる義母は1人の人生を楽しみたいがゆえ独居を選び、急死する。たこやきレインボーの清井咲希(20)が「若かりし頃」に戻った姿で、息子へ、その嫁へ、孫へと家族への思いを伝える展開だ。

このことから、三船は「父に何もできなかった。でも、そんな後悔だけじゃなくて、父のことに感謝しながら生きていこうって。ポジティブに考えられるようになった」とも語った。

三船敏郎の娘として芸能界デビューし、その活動を続けながら、母とともに大阪暮らしをスタート。第2の故郷で人生を再出発させ、再婚もした。

最近、実母が体調を崩し、入院したことがあったと明かしつつ「これからも家族で、大阪ライフを楽しみ、親孝行もして、子どもたちにもそれを伝えていきたい」。今作を通じても「親の世代の人も、私たち世代の人も、子どもでもみんな、世代ごとに何か得てもらえると思う」と話した。

15年ぶりの舞台出演は「臨場感たっぷりに、積み上げていく感じが楽しい」とニッコリ。夫役の吉弥も「とにかく、もっともっと、たくさんの人に見てもらいたい」と意気込む。

ダブル主演の1人、兵動は「1カ月稽古をしてきて、いまだにやっていてウルッときてしまう」と苦笑。物語の流れ上、孫世代の清井は「(稽古初期の)本読みの段階から『まだ1カ月ある~』と思っていたら、もうゲネプロ、明日は初日。詰め込んできたのであっという間でした。誰でも共感できるメッセージがあると思います」とアピールしていた。

公演はABCホールで11月30日~12月2日まで。