俳優梅宮辰夫さんが12日午前7時40分、慢性腎不全のため、神奈川県内の病院で死去した。81歳だった。

【梅宮さん伝説の数々】

▼生まれ 1938年(昭13)3月11日、中国・ハルビン市に生まれる。父は満鉄病院の医師で、終戦後の46年に引き揚げる。

▼東映ニューフェース 父と同じ医師を目指すも、医学部に落ち、日本大法学部に進学。在学中に銀座でスカウトされ、東京ニューフェース5期生に合格。

▼モテ男 59年に映画「少年探偵団」シリーズで主演デビュー。「遊星王子」などヒーロー映画に主演し、68年から「不良番長」「帝王」シリーズに主演。東映の看板スターとなり、銀座のクラブに通い、日活の石原裕次郎さん、大映の勝新太郎さんと「モテ男」を張り合った。「付き合っている女は常に10人以上いる」と豪語したことも。

▼茶の間に進出 73年から映画「仁義なき戦い」シリーズに出演する一方、ドラマ「前略おふくろ様」「スクール☆ウォーズ」に出演し、80年代には「くいしん坊万才」6代目リポーターも務めた。デビュー時は1本3万円の出演料も「仁義-」では「1本で数百万円もらった」と明かした。

▼結婚 68年に銀座のホステスと結婚するも、半年で離婚。その後、銀座のクラブで働いていた米国籍女性と知り合い、72年に再婚。現夫人クラウディアさんで梅宮アンナが生まれた。

▼豪快伝説 01年にガソリンスタンドで給油中のベンツを盗まれたが、車内に調理器具が入った「クッキングボックス」があったため、直後の会見で「ベンツはいいから、ボックスだけは返してほしい」と訴えた。結局ベンツは戻ったが、ボックスが戻らなかった。パジャマで銀座のクラブに行き、預けていたスーツに着替えたという。

▼多趣味 料理、釣り、ライフル射撃といずれもプロ級の腕前。伊豆を中心に、親友松方弘樹さんとフィッシングに出掛けた。