NHKは8日、都内で会見を行い、22年放送の大河ドラマが、三谷幸喜脚本、小栗旬(37)主演の「鎌倉殿の13人」に決まったと発表した。

「新選組!」(04年)、「真田丸」(16年)に続き3度目の大河脚本となる三谷氏は、ホワイトボードを使って人物関係や見どころを解説する異色の発表会見を行った。

作品は、ダークヒーローとして知られる鎌倉時代の2代執権、北条義時を主人公に、合議制で集まった13人による権力のパワーゲームを描く。

「13人の名前を知っている人は多分いない」「覚え方を示したい」とホワイトボードに向かった三谷氏は「ひかわなにおほほはあみあみ」とそれぞれの名前の最初の文字をひらがなで書き、「ヒカワナニオ、頬は網々」。強引な語呂合わせに爆笑が起きた。この中で最も若かった北条義時が最高権力者になるまでを描く、とした。

続いて、「ここ、試験に出ます」と北条家の家系図をボードに書き、義時について「本来、北条家の中心になる人物ではなかったのに、兄の死で歴史の表舞台にかり出される。何かに似てるなと思ったら、映画ゴッドファーザーのアル・パチーノの設定と似ている。原作者のマリオ・プーゾは、鎌倉時代のこれに影響を受けてゴッドファーザーを作ったんだなと思う」。

「後妻にたきつけられてどんどん悪いやつになっていく時政は『マクベス』。シェークスピアもこの時代に影響を受けていたんだと思う。もっと言えば、お父さんと娘、その弟、婿という設定は『サザエさん』。間違いなく長谷川町子さんは…」と終わらない話で笑わせ、「サザエさんとカツオが手を組んで、マスオさんが死んだ後に波平を磯野家から追い出す。そう考えるとものすごいドラマがある。タラちゃんを義時が滅ぼしてフグ田家は滅亡し、磯野家の鎌倉幕府ができる」と怒濤(どとう)の解説を行った。

ダークヒーローでもある義時への思い入れは強く「こんなダークな主人公が日曜夜にいていいのか、という主人公を明るく楽しく描いていきたい」と意気込みを語った。