映画「カメラを止めるな!(カメ止め)」で知られる上田慎一郎監督(35)が、19年1月に設立した制作会社PANPOCOPINA(パンポコピーナ)に、同監督の映画「スペシャルアクターズ(スペアク)」に出演した、津上理奈(27)が社員として入社した。

上田監督と津上が3日、それぞれツイッターで発表した。津上は「1月末で前の会社を退社し、2月から株式会社PANPOCOPINAに入社いたしました! 本日初出社でした」と、この日が初出社だったことを明らかにした。

津上は、もともと「カメ止め」の熱烈なファンで、同作が18年6月に都内の池袋シネマ・ロサと新宿K’sシネマで封切られると、観客として見に行っていた。上田監督のキャスト募集で「スペアク」のオーディションを知り、応募した際には「顔と全身が映った写真」という条件があったが、家に全身が映る鏡がなかったので会社で写真を撮ったという。社員証を首にかけたままで写真を撮ったため、同監督から「社員証くらい、取れよ」と突っ込まれたというが、出演したキャストの中で唯一、演技未経験ながらオーディションに合格した。

会社員を続けていたため、舞台あいさつにも有給休暇を使って参加していた。「笑顔で送り出してくれる上司に感謝。有給休暇は全部『スペアク』に使って、風邪も引かれへん、お盆も休めないという状況ですけど、楽しい」などと語っていた。「スペアク」公開後、女優を続けるかと聞かれると「あまり考えていなくて…興味はある。今回はすごく楽しかったですけど…」と複雑な心情をのぞかせていた。

津上は「カメ止めファンからスペアクキャストに、そしてまさかの入社と強い縁を感じずにはいられません。背中を押してくれた元上司にも感謝しています。今後もどうぞよろしくお願いいたします!!」とツイッターで今後の決意を語った。

上田監督は「弊社PANPOCOPINA新入社員が入りました。津上理奈。そう、拙作『スペシャルアクターズ』で若女将役を務めた彼女です」と津上の入社を紹介。その上で「共に作品創りをしていく仲間としての入社です。女優業も話があればと言っておりますのでそちらのオファーもお待ちしてます。今日から四人体制で走っていきます!!」(コメントは原文のまま)と、津上は社員ながら、女優業も続けていくつもりであることを示唆した。

上田監督によると、PANPOCOPINAはクリエイター集団だが、自身と妻のふくだみゆき監督は取締役で「カメ止め」「スペアク」の音楽を担当した鈴木伸宏氏が社長を務めており、津上は初の社員になるという。PANPOCOPINAは上田監督が09年に立ち上げ、19年1月に株式会社化し、同6月にはエイベックス・ピクチャーズと業務提携している。