宝塚歌劇団の星組新トップ礼真琴(れい・まこと)が7日、相手役に迎えた新トップ娘役の舞空瞳とともに、兵庫・宝塚大劇場で、本拠地お披露目作「眩耀(げんよう)の谷~舞い降りた新星~」「Ray-星の光線-」の初日を迎えた。

各組に主力スターがそろう黄金世代95期の先陣を切ってトップに就いた礼と、16年入団102期の舞空は、ともに首席入団。首席コンビが率いる新生星組の船出に、礼は「皆さまの活力になる舞台を届けたい」と誓い、歩を進めた。

若手時代から歌、ダンス、芝居ともに高いレベルで3拍子がそろっていた礼は、昨年末のプレお披露目「ロックオペラ モーツァルト」でも、その実力をいかんなく発揮。入団11年の早期就任とは思えない落ち着きのある舞台姿を見せた。

今回は、星組生全員を率いた初の本拠地作。入団時から1年目、3年目、5年目にある試験もすべて首席で通した礼も「焦っている自分に驚きます。セリフをひとつ覚えたらひとつ忘れ…。『私の頭よ、よみがえれ!』です」と、稽古中にはその苦闘ぶりを明かしていた。

今作は完全オリジナル。芝居は、紀元前800年頃の中国を舞台に、流浪の民「■(ぶん)族」の攻略を命じられ、真実を知り、悩み苦しむ青年貴族。礼は「正義だと思っていたものが、自分の中で揺らぎ、何を信じて進むのか問い掛ける」青年だと説明し、役作りに励んできた。

ショーは重く渋いロックナンバーから、タンゴ、王道の黒えんびと続き、礼も「フレッシュさと大人っぽさが同居するショーです」ととらえている。若きトップ礼自身にも重なるような内容で、舞空とのデュエットダンスでも魅了した。

あこがれの礼から、相手娘役に迎えられた舞空も、昨年就任時には「私自身もいろんな面を出せるよう精進していきます」と誓っていた。

星組へは、専科から愛月ひかるが異動し、星組生として本格始動。芝居では王朝の武将を熱演し、ショーでも華やかな立ち姿で、新トップ礼との相性の良さを感じさせた。礼と同期で成長著しい瀬央ゆりあは、芝居では鍵を握る男を好演するなど、存在感を発揮した。

また、今公演には専科から華形ひかるが参加し、芝居、ショーともに出演。今作を最後に退団する。

宝塚公演は3月9日まで、東京宝塚劇場は3月27日~5月3日。

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