新型コロナウイルスの感染拡大は、芸能イベント取材にも波及している。28日、報道陣へのマスク着用が義務づけられたり、サーモグラフィーで体温チェックが行われた会場があった。ただ、企業PRイベントや発表会見などは次々中止となっており、メディアが訪れる通常の「取材現場」数が激減している。

女優松下奈緒(35)が出演する、フジテレビ系動物バラエティー「感動地球スペシャル みなしごゾウを守れ 松下奈緒ケニア感動物語」(3月1日午後4時5分)の制作発表は、都内で行われた。前日からメディアに対しマスク着用、アルコールによる手の消毒をメールで通知された。取材陣約50人には受付でマスクが手渡された。松下と司会者以外はスタッフも含め全員マスク着用で行われた。

松下はマスク姿の取材陣の前でも、ウイルス関連の話にはほとんど触れることなく自然な笑顔。「昨年の10月にケニア、初めてアフリカに行ってきました。動物好き、自然好きで、熱い番組になりました」。アフリカ初体験の収録では密猟、乱獲で絶滅の危機にひんしているゾウの生態に迫った。「野生のゾウが向こうはじゃれてるつもりだけど、子ゾウでも500キロくらいあるから危険。でも、お母さんのような気持ちになりました」と振り返った。

第27回読売演劇大賞の贈呈式もこの日、都内のホテルで“厳戒態勢”の中行われた。大賞・最優秀男優賞の橋爪功(78)、若手を対象にした杉村春子賞の菅田将暉(27)らが出席したが、壇上ではマスク姿で並んだ。取材するマスコミはマスク着用しなければ入場不可で、来賓の高円宮妃殿下ら出席者も同様。会場入り口には熱を感知するサーモグラフィーも設置され、記者ら取材陣も高熱があるかチェックされた。贈呈式後の立食の懇親パーティーも、27回目にして初めて、なしとなった。