俳優青柳尊哉(たかや=35)がテレビ東京系「ウルトラマンZ」(土曜午前9時)で注目されている。演じていた防衛隊長が、先月、正体が敵だと判明。放送後、Yahoo!のトレンドワードトップ10に、敵名である「ジャグラス ジャグラー」をはじめ、関連ワードが8つもランクインした。16年の「ウルトラマンオーブ」にもジャグラー役で出演し、熱いオファーを受けて再出演。このほど日刊スポーツの取材に応じ、同作や俳優活動について語った。

4年前の「-オーブ」は主人公を目指してオーディションを受け、ジャグラーに抜てきされた。青柳は「ウルトラマンになれるものならなりたかった。『お前じゃない』と言われたようで、今でも悔しい。その思いや劣等感を役に投影しました」と明かした。

自分の思いをせりふに乗せ、「子供たちのトラウマになるくらいに演じよう」と振り切ったことが奏功し、ジャグラーは人気キャラクターに成長。「-Z」には、ヘビクラ隊長、実はジャグラーという設定で再出演することになった。

劣等感は常に抱いてきた。高校へ行かず、家で漫画を読んだり、ゲームをして過ごし「人と違うリズムの中で過ごしてきた」と言う。テレビで映画賞のレッドカーペットを見てうれしそうにしている母を横目に「母ちゃんが好きな芸能人に嫉妬したんです、きっと。自分のことをみんなに知ってほしいという気持ちも生まれました」。

俳優を目指して上京したが、うまくいかない時期も長かった。「昔から外見を褒めてもらうことはありましたが、中身が空っぽだったんです。掘り下げて考える人の話はすごい。映画や本、あれがいい、ここがいいと聞いても、『自分には分かんない』と思ってました」。素直に分からないと言える今の方がいいのでは、と聞くと「いい意味であきらめました。物の見方も人それぞれ」と笑った。

ウルトラマンへの思いは深い。「2歳から70代、80代、世界中が頑張れ! と言ってくれる作品はそうない。ちょっと斜に構えてた昔の自分をぶん殴ってやりたいです」。今月の撮了まで駆け抜けるつもりだ。【小林千穂】

◆青柳尊哉(あおやぎ・たかや)1985年(昭60)2月6日、佐賀県生まれ。17歳で上京、03年日本テレビ系「ライオン先生」に出演。ドラマは、テレビ朝日「警視庁捜査一課9係」シリーズ、「緊急取調室」など。映画は「影踏み」「さよならくちびる」などのほか、公開待機作に「燃えよ剣」など。舞台も多数出演。中国でも人気で、ファンイベントを行っている。特技はサッカー。イタリアン、和食などの料理、スイーツも得意。177センチ、68キロ。