漫画家・吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)氏原作の人気漫画「鬼滅の刃」をアニメ映画化し、10月16日に封切られた「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」(外崎春雄監督)が8日、興行収入(興収)200億円を突破した。製作、配給のアニプレックスが9日、発表した。興収204億8361万1650円、動員1537万3943人を記録した。

日本歴代最高の興収308億円を記録した、宮崎駿監督の01年のアニメ映画「千と千尋の神隠し」以下、過去、日本国内で興収200億円を突破したのは、これまで

<2>「タイタニック」(97年)262億円

<3>「アナと雪の女王」(14年)255億円

<4>「君の名は。」(16年)250億3000万円

<5>「ハリー・ポッターと賢者の石」(01年)203億円

の5作品のみで、歴代5位に浮上した。近年では「アナと雪の女王」が公開から73日間、「君の名は。」が公開から102日間で興収200億を突破したことが記憶に新しい。「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」は、その記録も更新した。

「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」は、公開から10日の10月25日時点で、興収107億5423万2550円、動員798万3442人を記録。「千と千尋の神隠し」が持っていた、興収100億円突破最速記録の25日を19年ぶりに15日間も更新した。さらに公開から17日の1日には、興収157億9936万5450円、動員1189万1254人を記録し、興収150億円を突破。日本国内の歴代興収ランキングでも、興収156億円の09年の「アバター」を抜き、10位に浮上していた。

「鬼滅の刃」は、2016年2月15日発売の「週刊少年ジャンプ」で連載がスタートし、5月18日発売の同誌まで4年3カ月の間、休載なしで205話、掲載された。大正時代を舞台に、主人公竈門炭治郎(かまど・たんじろう、声=花江夏樹)が家族を殺した鬼と戦うために修業して「鬼殺隊」に入隊し、鬼と化した妹禰豆子(ねずこ、声=鬼頭明里)を人間に戻す方法を探して戦っていく物語。19年4月から9月までアニメが放送され、人気が爆発的に高まった。

今回の劇場版では40人以上の行方不明者を出しているという無限列車を舞台に、炭治郎たちと史上最強の敵・魘夢との激闘が描かれた。テレビシリーズにも出ていた鬼殺隊の最高位“柱”の1人で、炎の呼吸を使う炎柱・煉獄(れんごく)杏寿郎(声=日野聡)が、任務に挑む姿が初めて描かれ、後輩の炭治郎らに激励の言葉を投げかけるなど、おとこ気のある姿勢に共感の声が相次いでいる。

映像美も評判で、終盤に煉獄が上弦の参の鬼・猗窩座(あかざ、声=石田彰)と激闘を演じるシーンをはじめ、アニメを超え、実写の質感があると評価が高い。