歌舞伎俳優尾上右近(28)が、自主公演「KEN no KAI」(12月24、25日、東京・渋谷のセルリアンタワー能楽堂)を行う。毎年夏に自主公演「研の會」を行っているが、今年はクリスマスに行うということで、クリスマスパーティーと銘打たれたスペシャル番外編だという。

同公演の取材会で右近は、サンタクロースの衣装を着て「メリークリスマス!」と言いながら派手に登場した。登場は派手ではあったが、取材者から拍手がぱらぱら。それでも右近は恥ずかしがることなく、「去年より重症な雰囲気になりました!」。

昨年の取材会で右近は、上演演目にちなんで、竹馬に乗って登場した。ビシッと決めたジャケットと竹馬。今年のサンタクロースよりは盛り上がった記憶があるので、確かに今年の方が「重症な雰囲気」だったかもしれない。

それはさておき、右近のサービス精神の旺盛さには感心する。目の前にいる人を驚かせたい、楽しませたいという思いで、いろいろと仕込みを考えてきたんだな、と思う。

その一心で、今度の自主公演も演目も意欲的なものがそろっている。「藤娘」は、3パターンの振り付けを3回の公演ごとに踊り分ける。チェロの演奏がある新作「隠~ONU~」は、誰もが持つ、ねたみ、そねみにクローズアップしたという。「歌舞伎があるから一生懸命になれる。伝統芸能の一端を担うためまい進したい」という言葉が力強かった。