宝塚歌劇団花組の注目株、聖乃あすかが28日、兵庫・宝塚バウホールで、初主演作「PRINCE OF ROSES-王冠に導かれし男-」の初日を迎えた。新人最終の7年目、100期生一番乗りでのバウ主演作。「薔薇戦争」を終結に導いた騎士にふんした。

ランカスター家とヨーク家が権力闘争を繰り返した「薔薇戦争」の時代が舞台。聖乃は、ランカスター家の女系血筋を引くヘンリー・テューダー役。後にヘンリー7世として、近代イングランドの礎を築く青年を熱演した。

亡命も経験しながら、熱い心、別れた母、仲間への思いを絶やさぬ役どころを、聖乃は落ち着いた芝居運びで好演。騎士として、貴族として、衣装の着こなし、麗しい剣さばきでもファンを魅了した。

聖乃は14年入団の100期生。花組に配属され、前トップ明日海りおの時代には、「ポーの一族」など3作で新人公演に主演。新トップ柚香光の就任で、新生花組の中でも飛躍が期待されている。

今作は当初、昨年7~8月の上演予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で、いったん中止。スケジュール再考で、半年遅れの上演になった。

開幕前日の27日に通し稽古を終えた聖乃は、初日を目前にスタッフらにも感謝。「千秋楽まで日々、成長していきたい」と決意も口にした。

ヒロインは、19年入団の研2(2年目)星空美咲が抜てき。フランス国王からの使者で、謎めいたイザベル役に挑んでいる。

公演は宝塚バウホールで、2月7日までの予定。