脚本家の坂元裕二氏(53)が29日、都内のTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた主演映画「花束みたいな恋をした」(土井裕泰監督)公開初日イベントに登壇した。
坂元氏が映画の舞台あいさつに登壇するのは極めて異例で「駆けつけました、坂元と申します。普段、なかなか駆けつけることがないものですから、うまく駆けつけられるか心配でしたが」と笑いながらあいさつした。
「花束みたいな恋をした」は、91年の「東京ラブストーリー」、16年「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」、17年「カルテット」など、連ドラの名作を数多く手掛けてきた同氏が、15年冬から20年秋までの東京を舞台に書き下ろした最新作。ラブストーリーの脚本を手掛けるのは、04年「世界の中心で、愛を叫ぶ」(行定勲監督、共同脚本)以来で、オリジナル作品としては初の映画脚本となる。同氏は試写を見た感想を聞かれ「自分自身が関わっているから恥ずかしいんですが(胸に)染みて…少し泣きましたね。俳優さんが演じたら(書いたせりふなどは)忘れるんで、素直に見ている人間として感動しましたね」と感想を語った。
坂元氏は5年前に菅田と初めて出会い、3年前に某所にたまたま2人で居合わせた際、菅田から「ラブストーリーをやりたいです」と言われたのが、今作が成立したきっかけだと明かした。同氏は当時を振り返り「菅田君は前髪がすごく長くて、顔が見えなかった。髪で顔を隠していて…お前、来るな! って感じかなと思った。もっと怖い人だと思った。その時以来、久しく声をかけていただいて感謝しています」と振り返った。菅田は「(坂元氏が脚本を担当した)テレビドラマを見てきた世代ですし、2人でいて俺、しゃべんなきゃって雰囲気になりました。思い付きもあるし、今のうちにラブストーリー、やらなきゃなと」と、坂元氏にラブストーリーをやりたいと告げた当時を思い起こし、語った。
「花束みたいな恋をした」は、京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った21歳の山音麦(菅田)と八谷絹(有村)が、好きな音楽や映画がウソみたいに一緒で、恋に落ちて同居を開始も、いざ就職が決まると生活や現実が見えてきて、ぶつかり合い…そんな2人の忘れられない最高の5年間を描いた。坂元氏は菅田と有村が、どういうシチュエーションを演じたら面白いかと考え、脚本を当て書きした。
現代のサブカルチャーまで踏まえた脚本に対し、菅田が驚きを口にすると、坂元氏は「あまり過剰に若者とか時代の変化とか、そういうことを意識してしまうと、上から目線や、見守る感じになる。時代の変化や今の子が違うとか、あまり考えずにフラットに書いています」と語った。



