菅田将暉と有村架純(ともに27)が主演し、1月29日に封切られた映画「花束みたいな恋をした」(土井裕泰監督)が、同31日までの3日間で興行収入(興収)2億6108万5490円、18万4360人を動員し、週末の全国興収ランキングで1位となった。

配給の東京テアトルが1日、発表した。日本歴代最高興収記録を塗り替えた「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」や「銀魂 THE FINAL」といった、人気漫画を原作としたアニメ映画の好成績が続いていたが、15週連続で興収ランキング1位を記録した「鬼滅の刃」を抑え興収、動員ともに首位に立った。実写映画の1位は、20年9月18日公開の米映画「TENET テネット」以来、4カ月ぶりとなる。

「花束みたいな恋をした」は、91年の「東京ラブストーリー」、16年「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」、17年「カルテット」など、連ドラの名作を数多く手掛けてきた脚本家の坂元裕二氏(53)が、15年冬から20年秋までの東京を舞台に書き下ろした最新作。ラブストーリーの脚本を手掛けるのは、04年「世界の中心で、愛を叫ぶ」(行定勲監督、共同脚本)以来で、オリジナル作品としては初の映画脚本となる。

京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った21歳の山音麦(菅田)と八谷絹(有村)が、好きな音楽や映画がウソみたいに一緒で、恋に落ちて同居を開始も、いざ就職が決まると生活や現実が見えてきて、ぶつかり合い…そんな2人の忘れられない最高の5年間を描いた。坂元氏が3年前、某所で菅田と2人きりになった際「ラブストーリーをやりたいです」と言われ、その前後で進んでいた企画を菅田と有村が、どういうシチュエーションを演じたら面白いかと考え、脚本を当て書きした。

映画業界では、公開前から作品の評価が非常に高く、大ヒットを期待する声が多数あった。公開初日から、都内の映画館には多数の観客が詰めかけており、下馬評通りの好スタートを切った。