俳優柄本佑(34)が2日、都内で主演映画「痛くない死に方」(20日公開、高橋伴明監督)完成披露試写会に出席した。

在宅医・長尾和宏氏のベストセラー、「痛くない死に方」「痛い在宅医」をモチーフに、終末医療に関わる在宅医と患者、その家族の交流を描く物語。

柄本は在宅医の河田仁を演じた。役作りのため丸1日長尾氏の往診に同行し、そのフランクさを「近所のおじさんが『近くに来たから寄ったよ』みたいな距離感」と表現。訪問先で長尾氏が必ず患者の手を握るなど、細かな発見が演技に生きたといい「あれはいいかもねと。取り入れようと思いました」と語った。

在宅医の先輩を、妻安藤サクラの父である奥田瑛二(70)が演じた。親子共演となったが、これまでにも映画「赤い玉、」で共演。奥田監督作の「今日子と修一の場合」にも主演しており、柄本は「僕の弟(柄本時生)や父(柄本明)であったり妻であったり、その中でも一番ご一緒している。フラットに現場に入れました」と義父との信頼関係を語った。

奥田は高橋監督からのオファーを二つ返事で快諾。しかし主演については知らず「義理の息子が主演とは」と苦笑した。一方で共演に不安はなかったようで「わが一族にはすごい俳優ばっかりですから、普通に入っていけました。婿だからどうしようというのは一切なかった」。また「役同士で存在するって何だろうと考えた。新しい境地のドアをノックしてしまった。ひと言では説明できない、すてきな現場でした」と刺激を受けた様子だった。

柄本は「高橋伴明監督の作品に出させていただくことが夢だった。幸せいっぱいな作品です」と笑みを浮かべた。

坂井真紀、宇崎竜童、高橋伴明監督も登壇。