世界3大映画祭の1つ、ベルリン映画祭の各賞が5日、オンラインで発表され、最高賞の金熊賞を争うコンペティション部門で、濱口竜介監督(42)の新作映画「偶然と想像」が銀熊賞(審査員大賞)に輝いた。「偶然と想像」は、偶然と想像をテーマにした3話オムニバス映画で、濱口監督初の短編集となる。3話に出演した俳優陣が祝福のコメントを寄せた。

第3話「もう一度」に出演の占部房子(43)は「『時間をかけて作品を作りたいんです』と、共有する全ての時間を真摯(しんし)に謙虚に創造していく濱口監督が作り出す時に身を置き、素晴らしい経験をさせて頂きました。『偶然と想像』は他者の内面に入り込む様で、実は自分の内面がすでに持ち合わせて居るのかも知れないと、深い驚きを体感する作品ではないかと思います。どうぞ、多くの方が濱口監督の作品世界を存分に楽しまれますように!」とコメントした。

河井青葉(39)は「銀熊賞!ばんざい!濱口監督の映画作りは私にとっても、映画界にとっても未来を切り開く一歩だと思っています。丁寧に時間を重ねるということの大切さを改めて感じる経験で、今回このような素晴らしい賞を授かったことはまさにその答えなのではないかと思っています。心からおめでとうございます!」と感激した。

「もう一度」は、東京で働くシステムエンジニア夏子(占部)が、高校時代の同級生あや(河井)と仙台で20年ぶりに再会する。あやは仙台在住のまま2児の母になっており、高校時代の思い出話に花が咲くが、会話は次第にすれ違っていく物語だ。