来年劇団創立100周年を迎えるOSK日本歌劇団「レビュー春のおどり」(26日~28日、東京・新橋演舞場)の制作発表が12日、都内で行われた。同公演でトップスターを勇退する桐生麻耶が出席した。

和洋の2部構成で、1部「ツクヨミ~the moon~」は蘇我入鹿、伊達政宗、堀部安兵衛の3つの味が楽しめ、2部「Victoria!」はラインダンスなど王道のレビューを満喫できる。昨年5月に上演予定だったが、コロナ禍で延期されていた。

同公演でトップスターを勇退する桐生は退団せず、特別専科に移籍する。トップスターが最後の公演後、退団しないのは初めてで、「トップスターでなければ見えなかった景色を、今後に向けて生かせれば」と話した。

OSK日本歌劇団は22年(大11)に「松竹楽劇部」として大阪に誕生。宝塚歌劇団、姉妹劇団の松竹歌劇団(SKD)とともに、日本3大少女歌劇のひとつとして、日本のレビュー文化をけん引。笠置シヅ子、京マチ子らを輩出した。スピード感あふれるラインダンスは“ロケット”とも称され、「ダンスのOSK」の象徴となっている。劇団解散の危機もあったが、若手だった桐生ら23人の劇団員が街頭で署名活動を行うなど、危機を乗り越えた。

桐生は当時を思い返し「本当に多くの方々に支えられて来たという思いしかありません。私たちが存在していること、(舞台を)続けていけることのありがたさを痛感しています」と話した。

次期トップスターの楊琳(やんりん)には「立場に負けることなく、笑顔で務めてくれるはずです」とエールを送った。