櫻坂46渡辺梨加(25)は、ゆっくりだが確実にステップアップしている。

昨年12月に発売した櫻坂46としてのファーストシングル「Nobody’s fault」では、表題曲歌唱メンバーに選ばれなかったが、今月14日発売のセカンドシングル「BAN」で、表題曲メンバーに入った。おっとりした性格だが、地道に努力を積み重ねている。

渡辺をソロでインタビューしたのは、18年12月のソロ写真集「饒舌な眼差し」発売時以来、2年以上ぶりだった。じっくり考えて、ゆっくり話すペースは相変わらずだった。時折、女性スタッフを見て、“助け”を求めることもあった。それでも、欅坂46からの改名や櫻坂46としての“再デビュー”を経て、言葉の重さが変わっていたように感じた。

15年8月、欅坂46の一期生オーディションに合格。翌16年4月にシングル「サイレントマジョリティー」でデビューした。ポジション最前列のフロントメンバーに選ばれた渡辺だったが、未経験だったダンスで苦戦した。左の胸元をつかんで体を大きく動かす振り付けには、当時特に苦労したという。

感情を表に出すタイプではないが、「ダンスは、練習するしかない」という思いでレッスンを重ねた。新曲の「BAN」は“グループ史上最高難度”と言われる激しいダンスが特長だが、全体リハーサルが始まる前に1人で稽古場を訪れ、ダンサーの先生付きっきりで練習したという。

もともと、人形のように整ったルックスと、表情を使った表現力には定評があった。「BAN」のミュージックビデオでも、アップになるシーンがいくつもある。ファッション誌モデルとしても活躍し、後輩の二期生内にもファンが多い。関有美子(22)は加入前に渡辺の握手会に行っていたという。積極的にしゃべらなくても人を魅了できるタイプのアイドルで、ある意味“天才型”かもしれない。

芸能界入りする前、就職活動で50連敗したという渡辺も、25歳になった。ファンからもメンバーからも愛される最年長。歩みはゆっくりでも、周囲は必ず見ている。そして確実に結果として表れ、さらにアイドルとしての本領を発揮していくのかもしれない。【横山慧】