明石家さんま(65)が企画・プロデュースするアニメ映画「漁港の肉子ちゃん」(渡辺歩監督、6月11日公開)の主題歌に、1970年(昭45)の吉田拓郎(75)のデビューシングル「イメージの詩」が起用されることが14日、分かった。

最も愛する曲であり“人生の教科書”というさんまの「小さい女の子に歌ってほしい」という希望で、一昨年7月期のフジテレビ系「TWO WEEKS」で注目を集めた人気子役の稲垣来泉(10)が歌唱に抜てきされた。音楽プロデューサーの武部聡志氏(64)が編曲して、GReeeeNがサウンドプロデュースを手掛けた。

レコーディングでさんまは「ボブ・ディランのように語りかけるように歌ってほしい。10年の人生経験をフルに発揮していただいて」とボケながら稲垣に要望してなごませた。51年前の歌を熱唱した稲垣は「私は歌が好きですが、うまい方ではなく、とても緊張していました。レコーディングの時は(GReeeeN)のHIDEさんをはじめスタッフの皆さんが、私にわかりやすく『ここは4時間目の体育の時間が終わった時の感じで歌ってね』と学校の教科の時間で表してくれたので、とても歌いやすくて面白かったです。さんまさんもとても褒めてくれました。さんまさんが声で選んでくれたことに自信を持って、私は歌いきりました。さんまさんやスタッフの皆さんが、うなずいてくれたので、とても良い歌になっていると思います」と話している。

さんまは「自分の体に染み込んだ歌でも、今の時代に伝わるんだというのが分かって『イメージの詩』も、何かしらの形で披露したいと思っていたんです。それで、吉田拓郎さんにご連絡をしてOKをいただいて。『女性に歌ってほしいので、歌詞も変えさせてもらいたい』と伝えたら『いいよ、いいよ、さんまちゃんの自由にして』と。それで、女性目線の歌詞にしようと思って、夜通し考えたけど、この曲は、この歌詞でないとダメだということが分かって。女性に歌ってもらいたいけど、歌詞を変えるのは難しいから大人の歌詞を小さい女の子に歌ってもらったらいいんじゃないかと。今回、10歳の稲垣来泉ちゃんに歌ってもらったんですが、ものすごい理解力で。クインシー・ジョーンズが、ボブ・ディランに『語るように歌ってくれ』と言ったというエピソードを伝えて、『ボブ・ディランで』と依頼すると『はい。ボブ・ディラン。』と、楽譜にメモとってくれたり(笑い)。思った以上の『イメージの詩』が出来ました。この曲が、また世に出てくれることがうれしいです」と話している。

エンディングテーマはGReeeeNが書き下ろした「たけてん」。GReeeeNは「僕たちGReeeeNも作品を読ませていただき、楽しみながら曲づくりに向かいました。曲を作り始める前の段階から、さんまさんと何度もお話をし、映画の情景を思い浮かべながら、エンディングテーマの『たけてん』という楽曲になったわけです。『たけてん???』と皆さまの脳内でなっていることと思います。それで合ってます(笑い)。この『たけてん』という曲のタイトル、さんまさんにつけていただきました。頭の中で『たけかんむり』に、天ぷらの『天』と書いてみてください。ある文字が浮かんできたのではないでしょうか。笑わせたい誰かがいる、笑って欲しい誰かがいる。そして幸せになって欲しい人がいる。そんな気持ちを込めました」。

さんまは「GReeeeNのHIDEとは以前から交流があって、食事の時に冗談で、映画の曲書いてもらおうとなったけど、その場で流れていて。しばらくしてから『映画の曲やらせていただいていいですか?』とHIDEのほうから言ってきてくれて。この曲は、僕の若い頃のテレビとか雑誌とかの情報を集めて、僕のことを調べつくして書いてくれたそうで。頭が下がる思いです。楽曲名は5つぐらい、HIDEに案を送ったんです。僕が『笑い』にこだわっているのをHIDEがくみ取って、他のタイトル案もありがたいのですが『たけてん』が呼んでます、と。それで『たけてん』に決まりました」と話している。