確執が伝えられる英王室のウィリアム王子(38)とヘンリー王子(36)が、17日に執り行われたフィリップ殿下の葬儀で1年1カ月ぶりに再会を果たし、会話を交わす姿を中継していたテレビカメラがとらえた。

葬儀前の行進では2人の間にいとこのピーター・フィリップ氏が入り、葬儀でも新型コロナウイルスの感染予防対策から離れた席に座っていたため、直接会話を交わすことはなかった。しかし、葬儀を終えてウィンザー城ジョージ教会から出てきたウィリアム王子とキャサリン妃が、ヘンリー王子を外で待つような形で一緒になり、その後は言葉を交わしながら並んで教会を去る様子が見られた。

兄弟の仲を取り持とうとしていると伝えられるキャサリン妃が一歩下がった後は、兄弟2人だけで並んで歩く姿もあり、険悪な関係から1歩前進と米メディアも2人の様子を伝えている。

ヘンリー王子は昨年3月に王室を離脱したのに伴い、米国に移住して以降一度も帰国しておらず、11日に帰国した後も英国が定めるコロナ対策に従って隔離していたため、2人が顔を合わせたのはヘンリー王子が英国を去った昨年3月以来となる。

先月米CBSテレビで放送されたインタビュー番組で妻メーガン妃が、長男を妊娠中に生まれてくる子供の肌の色の濃さを心配する発言が王室メンバーからあったことを明かし、父チャールズ皇太子やウィリアム王子との対立が鮮明になっていた。インタビューの内容に激怒したと言われるウィリアム王子は、「私たちは人種差別的な家族ではない」と発言を否定していた。2人がどのような会話を交わしたのかは不明だが、関係修復の兆しと見る向きもある。

第2子を妊娠中のために葬儀を欠席したメーガン妃は、フィリップ殿下に宛てた手書きの手紙と花輪を贈ったと米Usウィークリー誌は伝えている。ヘンリー王子は身重の妻と息子を心配し、葬儀終了後はすぐに帰国の途につくと伝えられている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)