NHK正籬聡放送総局長が21日、東京・渋谷の同局で定例会見を行った。

同局がネットで行う東京五輪聖火リレーの生配信において、五輪開催に反対する沿道の声が約30秒にわたり消されていた問題について、同局幹部は「走っている聖火ランナーの方への配慮も含めて、状況に応じて対応した」と話した。

長野市内を走る聖火リレー映像において、「オリンピック反対」などと五輪に反対する団体の声が聞こえた直後に音声が途絶えたというもの。今月16日に当該団体から長野放送局に抗議文が寄せられたとし、「その抗議文、ご意見とともに、担当部署である私たちと共有しております。抗議文の内容は読み込んで、真摯(しんし)に対応したい」。また「まずは団体の皆さまへのご対応をさせていただきたいので、具体的なことについて申し上げることは、ここでは差し控えたい」とコメントした。

抗議の声を消す意図があったのかとの質問には「長いリレーなので、状況に応じてその都度さまざま対応している。詳細は差し控えたい」。五輪開催を巡るさまざまな意見ついては「ニュースや番組で取り上げている。意見が対立する問題はできるだけ多くの角度から論点を明らかにしていきたい」と述べた。

正籬総局長は「いろんな物の考え方、見方がある。公共メディアとして意見や考え方が分かれる問題については、できるだけ多くの角度から論点を提示していく。その姿勢にいささかも変わりはありません」とした。