テイチクレコードの歌手・入山アキ子(51)が、コロナ禍でユニークなイベントを開催した。「輝け! 入山アキ子動画大賞2020」である。

昨年11月から、自身の最新曲「月に笑う蝶」とカップリング曲の「笑顔の花が咲くように」を課題曲にして、1コーラスの歌唱風景を動画で募集。「動画大賞」と銘打っているだけに、歌唱力だけでなく、動画の出来栄えにも重きを置いて、レコード会社のディレクターらが審査。各月の月間MVPなどを決定してきた。そして、今年3月末に最終審査を行いグランプリ、準グランプリ、審査員特別賞などを決定したのだ。

演歌・歌謡曲系の歌手が、自身の歌を課題曲としたカラオケ大会を開催することはよくある。各地で予選会を行い、ホールで決勝大会を開催する大掛かりなものも数多い。決勝大会に出場する歌唱者だけでなく、その応援団など多くの人が会場に集まる。中にはディナーショーとまではいかないが、食事付きという場合もある。

しかし、新型コロナウイルス感染症で、そうしたイベントはまったくできなくなった。レコード店やショッピングモールなどでの新曲キャンペーンや握手会、写真撮影会なども同様にほとんどない。

そんな状況で入山サイドが考えたのが、前述の動画大賞である。「会場などに集まれないのなら、動画で楽しく盛り上がっちゃおう」というわけだ。会場を準備する必要はないし、動画はSNSなどを利用して日本中から応募できる。いや実際にブラジルや台湾などからも応募があったというから、世界中から参加できるイベントなのだ。

動画はただ歌う映像ではなく、CG(コンピューターグラフィック)を駆使し、背景に数多くの蝶が舞う作品など、見入ってしまうような動画が多数あった。さらにはグループで奇抜な演出、コスプレで撮影した、笑ってしまうような楽しい動画もあった。小学生の男の子から最高齢は89歳の女性まで、幅広い年代層から数百点の応募があった。何度も応募してくれた人もいた。動画つくりを自分なりに工夫して、楽しんでいるのが伝わって来る。

今回の入山の動画大賞は、コロナ禍でなくても、歌手とファンをつなぐ新しい手法であり、歌の新しい楽しみ方でもある。他の歌手も参考にしていいイベントだと思う。

第2弾「輝け! 入山アキ子動画大賞2021」も開催予定だ。詳細を入山の公式ホームページなどで確認して、入山ファンだけでなく、動画大賞に興味を持った音楽愛好家はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。【笹森文彦】