永瀬正敏(54)が27日、東京・スペースFS汐留で行われた映画「茜色に焼かれる」(石井裕也監督、5月21日公開)完成報告会で「絶対に手放したくない大切なものは?」と聞かれ「猫」と答えた。

永瀬は劇中で、同作で4年ぶりに映画に主演した尾野真千子(39)演じる田中良子が、コロナ禍で経営していたカフェが破綻し、花屋のバイトと掛け持ちで働く風俗店の店長・中村を演じた。一見、ぶっきらぼうでビジネスライクに見えるものの、良子や片山友希(24)演じる風俗嬢ケイを見守り、時に示唆に富んだ言葉をかけたり、厳しい時には体を張って守る人情味のある役どころだ。

映画の大事なテーマの1つ「絶対に手放したくない大切なもの」について聞かれると、永瀬は「難しい質問ですね…」と一瞬、考えた上で「物質的なものもありますけど…思いですかね。信じるとか、そういうのを、強引に誰かに、何かに引きはがされる時が来たら、嫌かも知れないですよね」と語った。そして「映画を信じていますし、人との出会いを信じていますし」と、日々、心血を注いで作り続ける映画と、人との出会いを挙げた。

その上で「あとは…猫ですかね」と続け、笑みを浮かべた。永瀬は写真家としても活動しているが、愛猫家としても知られ、自身のSNSに時折、愛猫の写真を投稿している。

この日は当初、観客を入れての舞台あいさつを予定していたが、新型コロナウイルスの感染が拡大し、25日に東京都、大阪府、京都府、兵庫県に3度目の緊急事態宣言が発出されたことを受けて、会場を変え、取材陣のみ呼び込む形の報告会に変更された。永瀬は「大変な中、集まっていただいて非常にありがたく思っています。本来、お客さんの前に立つ予定でしたが…お客さんに届けるまで頑張ります」と、集まった取材陣に感謝の言葉を口にした。