アニメ映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」(庵野秀明総監督)配給の東映は6日、公開初日の3月8日からの59日間で興行収入82億8229万8700円を記録し、庵野秀明総監督(60)が同じく脚本・総監督をつとめた16年「シン・ゴジラ」の興収82億500万円を超え、同総監督の作品の中で最高興収記録を更新したと発表した。観客動員は、542万3475人を記録している。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は当初、20年6月27日に公開予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で同年4月に公開延期を発表。同10月に今年1月23日の公開を発表したが、緊急事態宣言の再発出を受けて同14日に再延期を発表と、2度の公開延期を余儀なくされていたが、2月26日に公開日を3月8日に決定。公開翌日の9日には、製作のアニメ制作会社「カラー」が公式ツイッターで、初日の興行収入(興収)が8億277万4200円、動員53万9623人と発表。「異例の月曜公開となりましたが、おかげさまで多くの方に足を運んでいただき、非常に良いスタートを切ることができました。皆様には感染対策などお願いばかりで恐縮ですが、本当にありがとうございます」と、感謝のコメントを発表した。

封切り後、初の週末となった13、14日2日間の成績は興収11億7744万5400円、動員76万人を記録。8日の公開初日からの7日間で、興行収入(興収)33億3842万2400円、観客動員219万4533人を記録し「エヴァンゲリオン新劇場版:Q」との興収対比145・1%、動員対比133・6%と好スタートを切った。同29日、27日、28日の2日間で興行収入(興収)5億2801万7500円、動員32万9999人を記録し、8日の封切りから21日間で興収60億7821万1750円、動員396万1480人を記録。興収53億円、動員382万人を記録した12年の前作「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」を超え興収、動員ともにシリーズ最高記録を更新した。

4月5日から10日まで6日連続で、テーマソング「One Last Kiss」を歌う宇多田ヒカルによる、もう1つの本作のテーマソング「Beautiful World(Da Capo Version)」にのせて、描かれる6人のキャラクター別映像「Character Promotion Reel」が流れたことも話題となった。同5日の碇シンジを皮切りに、同6日は綾波レイ/アヤナミレイ(仮称)、同7日は式波・アスカ・ラングレー、同8日は真希波・マリ・イラストリアス、同9日は渚カヲル、同10日は葛城ミサト、と6人のキャラクターたちの「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズ、「:序」「:破」「:Q」、そして「シン・エヴァ」での印象的なシーン、セリフが詰まった映像となった。

4月11日に東京・新宿バルト9で開催された舞台あいさつには、庵野総監督、鶴巻和哉、前田真宏両監督、碇シンジ役の声優緒方恵美が登壇。「エヴァンゲリオン」シリーズ史上初の監督陣の舞台あいさつに加え、今後も予定されていないことから“最初で最後”の監督陣舞台あいさつということから、登壇する新宿バルト9のシアター9は約3分で完売した。同総監督は「スタッフの代表として、みなさまにお礼を言う最後のチャンスかな、と思って出ることにしました」「こういったニッチな(分野の)ロボットアニメで100億を目指せるというのはありがたいこと」と、シリーズ最高の記録を支えてくれたファンに感謝した。

それを受けて、SNS上では、「庵野秀明を100億の男へ」、「碇シンジを100億の男へ」との声が盛り上がっている。