歌手で女優、作家の中江有里(47)が23日、東京・渋谷のJZ Bratでライブ「Port de voix(ポール・ド・ヴォア)」を開いた。

1月に28年ぶりに発売したニューアルバム「Port de voix」からの「風の姿」「プレゼント」「まわり道」やデビュー曲「花をください」など全15曲を熱唱した。

中江はアルバムについて「28年ぶりでしたが、私自身は初めてのつもりで取り組みました。純粋に挑戦できる機会に恵まれていることに感謝したい。私の中には情熱があふれ出しています」と振り返った。

この日の会場では、昨年2月13日にデビュー32年目にして初のライブを開いた。昨年8月9日に1年間の闘病の末に膵臓(すいぞう)がんで亡くなった母親に、最後に歌う姿を見せた場所でもあった。中江は「重い病を宣告されていた母親に、もう1度歌う姿を見せられました。ライブを見て元気になった母は、その半年後に天国へいきました」。そして母親をテーマにした「いつも」を披露して「歌う時は、いつも母と一緒の気持ちです」と話した。

さらに新曲の「コントレール」を紹介して「『飛行機雲』の意味なんですが、まだレコーディングはしていません。自分の中でいろいろイメージしながら、いつかこの曲をモチーフに小説を書いてみたい。音楽と文学の融合が、自分にできることなのかなと思っています」と笑顔を見せた。

ラストは「このまま」を歌って「このJZ Bratに戻って来られたというのは、1年3カ月、音楽を続けてこられたということ、進んできたということです。これからも1歩ずつ、1歩ずつ、進んで行きたいと思います。そのためには皆さんの力が必要です。こんな私ですが、どうぞよろしくお願いします」と話した。

ネットで生配信され、30日まで視聴できる。