歌舞伎俳優中村壱太郎(かずたろう=30)と乃木坂46久保史緒里(19)がダブル主演する舞台「夜は短し歩けよ乙女」(6日初日)の会見とゲネプロが5日、東京・新国立劇場中劇場で行われた。

森見登美彦氏のベストセラー小説が原作。京都の大学を舞台に、クラブの後輩の「黒髪の乙女」(久保)に思いを寄せる「先輩」(中村)が、彼女の目に留まるために日々奮闘しながらさまざまな騒動に巻き込まれるストーリー。

久保は19年の乃木坂46版「美少女戦士セーラームーン」で舞台の主演経験はあるもののソロでの出演は初めて。「個性豊かな人ばかりで、稽古中は受け身になってしまいました。乙女が歩くことで物語が展開するのですが、なかなかできなくて。でも、音楽の力は大きく、グループでもそうなのですが、音楽がかかると肩の荷がおりました。今は必死です」。役柄については「天真らんまんな役柄で、演じているだけでプラスに捉えるようになり前向きでいられました。共演者のみなさんのご縁に恵まれました」と話した。

上方歌舞伎で女形の壱太郎は現代劇で男性役を演じるのは初めて。「本日のこの場もどうやって立っていいのかも挑戦です。めがねも身を守るもので甲冑(かっちゅう)がなくて戦場に行っている感じ。歌舞伎も緊張しますがそれ以上に緊張しています。でも、演じるのは楽しみ」と語った。 脚本、演出の上田誠氏は「信じられないほど多くのシーンがあり、ダンスやラップも多く、音楽劇と呼んでもいいかな」とPRした。

会見には竹中直人、鈴木砂羽、玉置玲央、白石隼也、尾上寛之も出席した。

◆舞台「夜は短し歩けよ乙女」 森見氏の原作は累計160万部超の人気作品。先輩が後輩の乙女に恋をするが一方的な片思い。なんとか先輩はその恋心を気付いてほしいがかなわない。2人はその後、さまざまな人や不思議で奇妙な出来事に遭遇する。東京公演は22日まで。大阪公演は26~27日。