女優大島優子(32)を取材した。都内で菅野美穂(43)主演の映画「明日の食卓」(瀬々敬久監督)の公開記念トークイベントに登壇。瀬々監督は、ワンシーンだけの出演となった大島に対して、「隠れたMVP」と絶賛した。一方の大島は女優業ではなく、アイドル(AKB48)が「天職」だったと即答した。

映画の原作は、椰月美智子氏の同名小説。子を持つ親なら誰もが直面する問題を描いた。菅野、高畑充希、尾野真千子が演じた3人の母が中心となり、“第4の母”耀子役で出演した。要するに、物語の鍵となる人物だ。

ワンシーンだけの撮影は、あっという間に終わったという。「これまでの流れがない中、唐突に出るのは怖かったです。1週間くらい前から耀子のバックボーンを考えていました。撮影は2時間で終わりましたね」。これに監督は「いきなりワンシーンだけ出てきて、断片で勝負するという、俳優さんとしてはすごく恐ろしい仕事ですが、果敢に挑戦していただきました。この映画の隠れたMVPです」と称賛した。

イベントの中盤では、瀬々監督から質問攻めに。AKB48時代について聞かれると「高校2年生の時に入りました。その前にちょうど(学校で)進路相談が始まって、その時は子役として続けていたけど、鳴かず飛ばずだったので、別の道を考えていた時に、オーディションを知って。ラストチャンスで受けたら、あれよこれよで、アイドルになっていました」と振り返った。

質問は止まらず、「アイドルは天職だったか」と問われ「今でも天職だったと思っています」と即答。「逆に女優業は天職じゃないかもって…(笑い)。アイドルっていう生き物は、ずっと続けられるほどのエネルギーを作っていくことがすごく難しい。女優さんは、作品によってエネルギーが違うから、それが面白いと思います」と話した。

AKB48を卒業後、朝ドラや連続ドラマ、映画など活躍が光る大島だが、それでも女優業が「天職じゃないかも」と感じていることに驚いた。逆を言えば、それほどアイドル時代を全力で生き抜いたということだ。

瀬々監督とは、すでに再タッグを組むことが決まっているという。今作のような暗い役ではないといい「明るい大島優子さんが見られますから、楽しみにしていてください」。“隠れたMVP”が、“真のMVP”になる作品を早く見たい。【佐藤勝亮】