歌手北島三郎(84)が25日、大阪・新歌舞伎座で開幕した「北島三郎ファミリーコンサート2021」(27日まで)で約9カ月半ぶりに生ステージに復帰した。18年11月に自宅で転倒して両足の指を7本骨折する全治2カ月の重傷を負った。現在は完治はしているが、長時間立ち続けるのは厳しいため、この日は特製のいすでステージに登場した。有観客公演は、昨年9月の福岡・博多座以来、約9カ月半ぶりとなった。

演歌界のレジェンドは「歩けないことはないのですが、歩けないのです」とジョークで笑わせ、コロナ禍で開催が危ぶまれた中での公演に「みなさんとお会いできて、ほんと感謝です」とあいさつした。

現状について「あまり体調はよくないのですが、ただ、みなさんに『北島は、元気で生きているよ』と顔を見てもらっただけで幸せです。まだ大丈夫ですよ」と元気に宣言した。

ステージには北山たけし(47)と大江裕(31)の人気ユニット「北島兄弟」、原田悠里(66)、山口ひろみ(46)ら弟子たちがゲスト出演した。生バンドをバックに2部構成で、北島は「与作」などを熱唱した。

18年に52歳の若さで旅立った次男を思い浮かべて書き下ろした新曲「想い」も披露した。「お客さんの前で歌うと、息子の顔が浮かんできます」としみじみと話した。最後はいすから離れ、ステージに立ち、代表曲「まつり」を弟子らとともに熱唱した。