世界的ギタリストのエリック・クラプトン(76)が、観客に新型コロナウイルスのワクチン接種証明書の提示を義務付ける会場では今後一切演奏しないと発表した。クラプトンは今年5月にアストラゼネガ製のワクチンを接種した後、強い副反応に10日間苦しみ、「一時はもう二度と演奏ができないのではないかと思うほど体調が悪かった」と明かしていた。その経験から反ワクチン派になったクラプトンは、「プロパガンダでは、ワクチンは誰にとっても安全だと言っていたが…」と批判していた。

今回の発表はボリス・ジョンソン英首相が19日に英国内のナイトクラブやライブ会場への入場にはワクチン接種の証明を義務付けると発表したことへの抗議で、「私も自分の意見を発表しなければと考えました。差別された観客がいるステージで演奏はしないことにしました。すべての人々が参加できる規定でない限り、私はショーをキャンセルする権利を持っています」と友人の映画プロデューサーで建築家でもあるロビン・モノッティ氏のSNSを通じてコメントした。

クラプトンは今年9月に米テキサス州やフロリダ州など南部で北米公演を予定しているほか、来年5月にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで2回の公演を行うなど欧州ツアーも決まっている。米国では現時点で、ワクチンパスポートの導入は決まっていないため、北米公演は予定通り行われる可能性が高い。(ロサンゼルス=千歳香奈子)