テレビ朝日社員らが、東京五輪閉会式が行われた8日夜に、東京・渋谷の飲食店で10人の飲酒会合を開催し、翌9日未明に同スポーツ局社員1人が誤って店の外に転落して負傷し、緊急搬送されたことについて、10日放送の同局系報道番組「報道ステーション」(月~金曜午後9時54分)内であらためて言及した。

番組開始約30分後に、富川悠太アナウンサーが、同件について述べた後「テレビ朝日のコメントです。不要不急の外出などの自粛を呼びかける立場にありながら著しく自覚を欠く行動があったことは大変遺憾であり、深く反省しています。緊急事態宣言下で尽力されている皆様はじめ、関係各位に多大なご迷惑をおかけしたことを深くおわびいたします」と、この日午後4時40分から放送された「スーパーJチャンネル」で、林美沙希アナウンサーが読み上げたのと同じコメントを読み上げた。

その後、コメンテーターを務める、共同通信の太田昌克氏は「まず私自身、言葉を失い、怒りがこみ上げてきましたね。絶対にあってはならない不祥事ですよ。しかも、緊急事態宣言下。これは許されない行為です。酒類の提供停止で今も困窮されている飲食事業者の皆さま、サービス業の方々、今この瞬間、命を守るために最前線にたっておられる医療関係者。取材でお世話になった関係者の方々、お心を大変傷つけてしまったと思う。コロナ禍の今、危機を迎えているからこそ、メディアやジャーナリズムに対する市民の皆さまの信頼がなにより大切なんです。しかしそれを裏切ってしまった。私自身、自戒の念をこめて、初心に立ち返りたい」と話した。

太田氏はコメントしたが、同局の富川アナ、フリーアナウンサーの徳永有美は言及しなかった。

この問題については、スポーツ局の社員6人、社外スタッフ4人は、いずれも東京五輪に関係した仕事をしていたという。

誤って転落したスポーツ局の20代女性社員は9日午前4時ごろに緊急搬送された。足をけがし、現在は入院しながら治療を行っているという。命に別条はなく、事故に関する詳しい経緯などは調査中。

同局ではこの日午前、文書を発表し、社員らが緊急事態宣言下で東京都の要請ルールを無視して打ち上げ名目の飲酒を伴う宴席を飲食店で行ったことを認めた上で「当社では従前より、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から宴席等を禁ずる社内ルールを設け、その順守を徹底してまいりました」と説明。

その上で「しかしこのたび、不要不急の外出などの自粛を呼びかける立場にありながら著しく自覚を欠く行動があったことは大変遺憾であり、深く反省しています」とし「緊急事態宣言下で尽力されている皆様はじめ、関係各位に多大なご迷惑をおかけしたことを深くおわびいたします」と謝罪した。