歌手由紀さおり(74)が、1976年(昭51)に発表したシングル曲「こころもち 気まぐれ」(きすぎえつこ作詞、星勝作曲)を今月4日、45年ぶりにアナログ(レコード)復刻盤として発売し、大きな話題を呼んでいる。

「こころもち-」は、アンニュイな歌詞と70~80年代に「シティーポップ」と呼ばれたムーディーなメロディーが由紀の持つ温かみのある歌声とマッチ。ここ数年、クラブでプレーするDJの間でも「昭和が生んだ名曲」と再評価をする声が高まり、中古レコード店で品薄状態が続いていた。世界の音楽シーンでも、20年にはレコードの売り上げがCDを上回るなど、アナログブームが追い風になり、今回の復刻版発売につながった。

約半世紀の時をへて、自身の曲が再注目されていることに、由紀は「45年前に発売したこの楽曲が、アナログのレコード盤として再発売されてザワザワしているのは、すごくうれしい出来事の1つです。CDの良さもありますが、私たちがデビューした頃のレコードの針を落とすあの瞬間のドキドキ感は、忘れられない自分の中の思い出の1つなので、それを若い方たちが見つけ出してくれた事は、ものすごくうれしいことです。もう少しザワザワが大きくなるように、これからの自分のステージでこの曲を歌っていこうと思っております」と話している。

24日に開幕する東京パラリンピックの応援大使を務めている。「いよいよパラリンピックの開催が近づいて来ておりますが、オリンピックも何とかやってみれば、みんなが心ときめいて、そこに参加した方々も本当に頑張られて、私たちの国は3番目に多くメダルを獲得する喜ばしい結果となりました。パラリンピックの皆様もそれに大いに触発されて、頑張ろうという気になっている事と思います。私たちでは計り知れない努力、心折れそうな事もあったかも知れませんが、それを乗り越えて選手となり、代表となってパラリンピックに出場するって、これは本当にすごいことだと思っているので、私は心から選手の皆様を応援したいと思っております。皆さんの努力に敬服しております。パラリンピックが大成功で終わるように応援しております」とエールを送った。

69年に「夜明けのスキャット」がいきなり150万枚超の大ヒットとなる鮮烈デビューをして52年。12年には紫綬褒章、19年には旭日小綬章を受章。大御所と呼ばれるようになった現在でも、歌手や女優、バラエティー番組などの芸能活動や社会分野などで幅広い活躍を見せている。