「ゴルゴ13」で知られる劇画家のさいとう・たかをさん(本名・齊藤隆夫)が24日午前10時42分、膵臓(すいぞう)がんのため亡くなった。84歳だった。29日、小学館のビッグコミック編集部と、さいとう・プロダクション公式サイトで発表した。葬儀は新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、親族のみで執り行ったという。

「ゴルゴ13」の今後の連載について、ビッグコミック編集部は「さいとう先生のご遺志のもと、スタッフと編集部協力のうえ、今後も継続する予定です」とした。関係者によると、10月25日発売のビッグコミックは新作を掲載の予定だったが、さいとうさんの死去を受け、過去作80ページをアンコール掲載し、追悼記事も掲載の予定だという。また11月5日発売号から、新作の掲載を再開する予定だという。

さいとうさんは、1936年(昭11)11月3日、和歌山県和歌山市生まれ。1955年(昭30)に「空気男爵」(大阪・日の丸文庫刊)でデビュー。貸本向け漫画誌の中心的な存在として、大阪で精力的な活動を続け、60年の「台風五郎」の大ヒットで不動の人気を獲得した。その後、活動拠点を東京に移し「さいとう・プロダクション」を設立、作品制作過程における分業化をはかり、脚本部門を設けるなど、プロダクション形態の劇画制作システムを構築している。