“ハーフ”と呼ばれる人々の悩みや生活を描いた「WHOLE/ホール」(川添ビイラル監督)の公開記念舞台あいさつが16日、東京・アップリンク吉祥寺で行われ、主演の川添ウスマン(26)サンディー海(25)、ビイラル監督(31)が出席した。

企画、脚本、主演を務めたウスマンは「(企画の)きっかけはお兄ちゃん(=ビイラル監督)と映画を作るのが夢だったこと。どういう内容の映画が社会にプラスになるかと思った時、ハーフの苦労を映像化したものはなかったので」と話し、サンディーとともに「上映できるのが夢のよう」と喜んだ。

大坂なおみ選手、八村塁選手らが、差別や中傷に対し声を上げ、考えを発信するなどしている。ビイラル監督は「昔に比べると、差別や区別に注目が集まっていますが、彼らでもバッシングされる。いろんなミックスルーツの方が声を上げることでいい方向に向かっていくのでは」とした。

作品は、2人の青年が成長していく部分が見どころ。ビイラル監督は「ミックスルーツの方々の経験や葛藤を描いていますが、そうじゃない方、マイノリティーの方々じゃなくても、いろんな人に共感してもらえると思います。楽しんでほしい」と話した。