乃木坂46が28日、東京・TACHIKAWA STAGE GARDENで、「乃木坂46 28thSG アンダーライブ」を開催した。卒業を発表している2期生の寺田蘭世(23)にとってラストライブとなった。

冒頭は最新シングル「君に叱られた」収録のアンダー楽曲「マシンガンレイン」からスタート。2曲目は「滑走路」と、寺田センターの楽曲を2曲連続で披露した。寺田は「皆さん、こんばんは~! 乃木坂46でーす!」とあいさつ。「皆さん、今手に持っているものを全部置いて!」と呼び掛け、「プチョヘンザ!(Put your hands up)」とアピール。クラップ(手拍子)を求めて、会場を1つにした。「今日はよろしくお願いします~!」と叫び、ラストステージの幕を開けた。

序盤のMCで、後輩の向井葉月(22)から「蘭世さん、今日は乃木坂として最後のライブですけど」と聞かれると、寺田は「ついに千秋楽が来ちゃったなって感じがするんですけど、今は寂しいっていうよりは楽しい気持ちでいっぱいです。本当に悔いが無いからか、すっごいすがすがしい気持ちで、楽しんでます」と笑った。向井は「ファンの皆さんも、蘭世さんと一緒に、今日は思い出を作っていきましょう!」と笑顔で呼び掛けた。

後輩たちが次々と寺田との思い出を振り返る中で、伊藤理々杏(19)は、「蘭世さんて、服のおさがりをくださったじゃないですか。先輩からものをもらったのって、蘭世さんが初めてなんですよ」と明かし、「今でも着たりとか、飾ったりとかしているんですけど、見るたびにうれしかったな~って思います」と感謝した。

寺田は13年3月に乃木坂46の2期生オーディションに合格。15年2月に研究生から正規メンバーに昇格した。17年3月「インフルエンサー」で初の選抜入り。15年11月から5年間、ニッカンスポーツ・コムでコラム「NEWSがとまらんぜ」も連載した。

中盤には、「自分は言葉を伝えるのが苦手でした。誤解されちゃうんじゃないかなって思って。でも、このステージで歌を歌ったり踊ったりしていると、自分の気持ちを見せられるような気がしました」と切り出し、「私にとって、このステージはとても大切な場所です。このステージがずっと熱くあれる理由には、いろんな人の等身大の思いを乗せているからだと思います。受け継ぐもの、受け継がれていくもの。それぞれの意思がここにはあって、だからとても魅力的なんだと思います」と説明。「ここから歌う楽曲たちに、今の思いも乗せて、大切な人たちに、まっすぐ伝えます」と誓った。

「自由の彼方」を皮切りに「三角の空き地」「錆びたコンパス」「ブランコ」「別れ際、もっと好きになる」「嫉妬の権利」を立て続けに披露し、ファンを魅了した。本編ラストは「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」をパフォーマンス。有観客のアンダーライブは約1年ぶりで、寺田は「こうやってお客さんが入ってくださってライブをすると、言葉では表せない、胸にぐっと来るものがありました。本当に私は幸せ者です。ありがとうございました」と感謝した。

アンコールでは赤と白でドレス姿で登場し、スタッフやメンバー、家族、ファンに感謝を伝えた。「もう、何1つ後悔はないです。本当にたくさんの愛をありがとうございます。もっともっともっと魅力的な女性になって、もっと幸せになりたいなって思います。ありがとございました」とあいさつ。

さらに「私に初めて勇気をくれた曲。私が初めてセンターに立ちたいなって思った曲。私に挑戦する力をくれた曲。これからみんなに歌い継いでほしいなって思う曲を、選ばせていただきました」と説明し、メンバーたちと一緒に「左胸の勇気」「気づいたら片想い」「何もできずにそばにいる」「心の薬」を続けて披露した。後輩の向井葉月(22)矢久保美緒(19)林瑠奈(18)らが次々と涙を流すのを見て、「泣いてくれるのも、寂しがってくれるのも、全部うれしい」と笑った。

後輩たちは涙していたが、寺田自身は最後まで笑顔だった。「約9年間本当にありがとうございました。もちろん名残惜しいですし、強がりだから、最後の最後まで強がっているのかもしれません。帰った後に、1人で泣いているかもしれません」と打ち明けた。ラストは「でも、そんな私を理解してくれて、愛してくれて、見つけてくれて、出会ってくれて、本当にありがとうございました。これからも、もっともっと、もっともっと幸せで、もっと格好よくてイケてる女性になると思いますので、応援してくれていたらうれしいです。たくさんの愛をありがとうございました」と呼び掛け、大きな拍手を浴びた。【横山慧】