武田梨奈(30)の連続ドラマ初主演作として、BSテレ東で15年1月期に放送された「ワカコ酒」の第6弾「ワカコ酒 Season6」が、22年1月10日から同局で放送をスタート(月曜深夜0時)することが4日、分かった。

「酒飲みの舌」を持って生まれ、さまざまな酒場をさすらい、女ひとり酒を堪能する26歳のOL村崎ワカコを演じ続けてきた武田は「この作品がスタートしてから7年目になりました。今回はより一層、外で頂くお酒のおいしさを全身で感じました」と、撮影真っただ中の心境を語った。その上で「これからも新鮮に、初心の気持ちを忘れずにワカコを演じたい! と強く思います」と力を込めた。

20年4月期に「-Season5」、同12月29、30日に2夜連続で年末スペシャル「飛騨酒蔵めぐり」が放送されてから、約1年ぶりに「ワカコ酒」が帰ってきた。偶然見つけた店でも勇気を出して一歩足を踏み入れれば、酒場での独り呑みを満喫し、酒と料理がピッタリ合った瞬間「ぷしゅー」と吐息を漏らす、ワカコ至福の瞬間が最高の見どころだ。ただ「-Season5」は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け発出された1回目の緊急事態宣言下で放送され、「飛騨酒蔵めぐり」放送後も緊急事態宣言が長期にわたって続いた。緊急事態宣言下で、飲食店は時短営業を要請されるなど厳しい状況が続いた。

武田は、そのことを踏まえ「コロナ禍になり、飲食店やさまざまな職業の方が大変苦しい思いをされたと思います。さらに、日々の楽しみが奪われてしまった人もたくさんいらっしゃると思います。私もその1人でした。キャスト・スタッフともども、あの“日々の楽しみ”を届けられるよう、皆様の協力を得て現在、撮影させていただいてます」と思いを語った。

テレビ東京の小林教子プロデューサーも「まさかお店でお酒が飲めなくなる日が来るなんて思いもしなかった。夏、脚本を作りながらも本当に撮影ができるのか不安だった。クランクイン直前に宣言が解除され、これまで通りにいかない部分もありつつ、さまざまな対策を取りながら、撮影を進めてきました」と振り返った。

11年から「月刊コミックゼノン」(徳間書店)で連載中の、新久千映氏の同名漫画を原作に描いた架空の物語のため、コロナ禍を直接、物語やセリフに反映させてはいない。ただ、小林プロデューサーは「制作にあたり、実際の店内での撮影がどこまでできるのか不安要素が大きかったため」自宅回を入れたと語った。また原作にもエピソードとしてあったファミレス飲み、お取り寄せなど、コロナ禍の新しい生活様式で推奨された飲食の手法も盛り込んだ。同プロデューサーは「酒場で飲める幸せをより感じていただけるよう、心を込めました。そして、自宅でお取り寄せしたり、同僚と飲んだり、料理教室、ファミレス、喫茶店、ビール工場等これまで以上にワカコのワンダーランドは広がりました」とシリーズの“進化”を強調した。

BSテレ東初の連ドラとして第1作の放送が始まった当初は、女性が仕事の後など、うまい酒やグルメを1人で楽しむ“女ひとり酒”ブームの火付け役として注目された。テレビ東京のグルメドラマといえば、12年からスタートし、7月期に「Season6」が放送された松重豊主演の「孤独のグルメ」が人気だが、それに次ぐ長期シリーズとなった。武田は「1話1話が小さな光となりますよう、そして皆さんの日々の疲れを癒やせるよう、丁寧にお届け致します。楽しみにしていてください!」と意気込んだ。また小林プロデューサーも「この数年で残念ながら閉店してしまったお店もありますが、頑張っている飲食店の皆さま、お酒を愛する皆さまのために、村崎ワカコ26歳の夢の世界を贈ります。どうぞお楽しみください」と力を込めた。