ザ・ワイルドワンズが5日、都内で、結成55周年記念公演「お楽しみはこれからだ2021 Go Go Let's Go! The Wild Ones」を行った。

15年4月にリーダー加瀬邦彦さん(享年74)が亡くなり、鳥塚しげき(74)植田芳暁(73)島英二(74)のメンバー3人に、加瀬さんの次男でギタリストの加瀬友貴(39)が加わった。

メンバーはヒット曲「想い出の渚」や「夕陽と共に」など全23曲を披露。会場は古くからのファンを中心に満席となり、それぞれの青春時代を楽しんだ。

55周年に、植田は「半世紀を超えました。本当なら通過点というところですが、マラソンのゴールが1年、2年と伸びている状態。メンバーの仲がよかったから続けられた。ファンに感謝、(リーダーの)加瀬さんに感謝です」、鳥塚も「とっても幸せです。周囲ももっとやれと後押ししてくれた」、島も「今日もステージに立つことができて、ファンの方もうれしいのではないでしょうか」と、それぞれ語った。

邦彦さんの死去後に加入した友貴は「55年間オリジナルのメンバーでやっている日本のバンドはないのでは。先駆者でありレジェンド。ご一緒できるのは幸せ出し、1日1日、1年1年を刻んでいけるように頑張りたい」。

ワイルドワンズは66年11月5日に「想い出の渚」でデビュー。邦彦さんと加山雄三が友人で、翌年の正月公開の映画、若大将シリーズに出演。同曲がヒットし、人気バンドになっていったという。鳥塚は「加瀬さんがメンバーを集め、加山さんも応援してくれた。本当にラッキーなめぐりあわせでした」と言えば植田も「人にめぐまれました。それだけで今がある。想い出の渚の1曲だけで55年間やってきた。昔の演歌歌手でもできないことです」と笑わせた。

邦彦さんは、東京・銀座にライブハウス「KENNEDY HOUSE」を残した。島は「ライブをやる場所があったから続けられた。この場所がなかったら、音響などのスタッフを毎回集めねばなりません。演奏する場所があるから、最低、月1回のライブを行い、続けることができた」と振り返った。

全員が70代のオリジナルメンバー3人は「定期的に検査は受けています。楽屋でも病気やサプリの話ばかり。まずは来年の56周年です」と声をそろえた。