西島秀俊(50)が6日、都内で開催中の東京国際映画祭が国際交流基金アジアセンターと共催する「トークシリーズ@アジア交流ラウンジ」の一環として、カンヌ映画祭で最高賞パルムドールを受賞した経験を持つ、タイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督(51)とオンラインで対談を行った。

2人は以前から親交が深く、西島はアピチャッポン監督が04年の東京フィルメックスで最優秀作品賞を受賞した「トロピカル・マラディ」が大好きだといい、08年に雑誌「美術手帖」で対談をしたほか、個人的にも交流があるという。

西島が「僕で1本、企画を考えてくれていると、言っていましたよね」と呼び掛けると、同監督は「秀さんとは、第三カ国でお互いが異邦人になる必要があ。日本でもタイでもないどこか…そこを捜す旅をしています」と答えた。その企画について、西島は「全編、雪原で、全編、全裸で過ごす映画でしたね。いつ何が起きたかも分からない、地球のどこかも分からない…メチャクチャ面白かった」と笑みを浮かべつつ振り返った。

東京国際映画祭の市山尚三プログラミングディレクターによると、市山氏が20年までプログラミングディレクターを務めていた、東京フィルメックスで05年に審査員を務めた西島を、アピチャッポン監督に紹介し、その後、会食し、刺身などを食べて語り合ったという。「(監督が)『せりふのない役なので日本人でも起用できる。東洋人でもいいが日本人はと?』言うので、西島さんがフィルメックスの審査員をされた翌年…パンフに載っていたので紹介した」(市山氏)ということから、西島とアピチャッポン監督は05年前後に初めて会ったとみられる。

アピチャッポン監督は「あの映画、やりたかったんですよ。課題となるのは、お金がかかる。何もない場所じゃないといけない」と苦笑した。西島も「僕、もう50歳なんできついんだよなぁ…やりますけど」と笑った。