美術評論家の山田五郎氏(62)が6日、都内で行われた映画「ダ・ヴィンチは誰に微笑む」(11月26日公開)のトークイベントに出席した。

映画は17年に史上最高額の510億円で落札されたレオナルド・ダ・ヴィンチの最後の絵画とされる“男性版モナリザ”こと「サルバトール・ムンディ」の一件などを題材に、アート界のからくりや、闇の金銭取引などを描くノンフィクション作品となっている。山田氏は近年のアート界の取引にはオイルマネーで潤う中東諸国や中国、ロシアらが高額投資するようになっているとし「ここ20年でマーケットがすごいことになっている。スケールが大きくなりすぎて。もともとアートはマネーロンダリング(資金洗浄)に最適なものでもありますからね」と語った。

その上で、歴史的価値の高い作品が購入され、多くの人の目に触れられなくなっている現状もあると指摘。「あの作品、どこいっちゃったんだろうっていうのは結構ありますよね。美術ってそういうもの。そうした作品が見られなくなるのは困るなというのはある」と訴え「みなさんにも声をあげてほしい。お金持ちはみんなに(作品を)見せてこそのお金持ちだと思うんだよね。もし作品がフリー倉庫にいたらですよ、(美術館などに)寄託して、みんなが見られるようにしていただきたいと思います」と話した。