作家で女優、歌手の中江有里(47)が小説「万葉と沙羅」(文芸春秋)を出版した。通信制高校に1年遅れで入学した沙羅が、幼なじみだった本好きの青年・万葉と再会して、世界が広がっていく。中江は「本でつながる青春ストーリー。自分が通信制の高校、大学に通った経験を生かしました。人間関係を築きにくい場所ですが、どういう青春があるのかを書いてみました」と言う。

人間関係、進路、そして本に悩む若者たち。「はたから見れば小さな事だけど、本人にとっては重大。大きな出来事もなく、風景として本があって、それに会話が乗っていく世界を描きました」。高校生から大学生までの2人の物語だが、恋愛どころか手も握らない。「恋愛関係にならない2人。好きなんだけれど、決して恋愛感情ではない。でも、その方が、むしろ友愛みたいな方が人間関係が長く続く。好きには、いろいろな種類がある。恋愛に発展しても、別にしなくてもいい」と話している。

9月に有色人種女性として初の米副大統領になったカマラ・ハリス(57)の自伝的絵本「みんなスーパーヒーロー!」(平凡社)を翻訳。来月26日には東京・渋谷のJZ Bratでライブ「Bon anniversaire!」を開く。

小説、歌歌手、女優。どれも現在進行形だ。【小谷野俊哉】

◆中江有里(なかえ・ゆり)1973年(昭48)12月26日、大阪府出身。89年JR東海のCMでデビュー。90年TBS系「なかよし」で女優デビュー。91年にはシングル「花をください」で発売。06年小説「結婚写真」。13年に法大通信教育部文学部を卒業。